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新装版 戦いすんで日が暮れて (講談社文庫 さ 6-5)

新装版 戦いすんで日が暮れて (講談社文庫 さ 6-5)

新装版 戦いすんで日が暮れて (講談社文庫 さ 6-5)

作家
佐藤愛子
出版社
講談社
発売日
2017-09-13
ISBN
9784062937733
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新装版 戦いすんで日が暮れて (講談社文庫 さ 6-5) / 感想・レビュー

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ケイ

激しいなあ。ここに出てくる中年女性たちの夫が揃いも揃って倒産するから、女は筆で稼いで、借金と戦う。夫のせいで担保に家を取られそうな人のために自らも借金をしたり、できる仕事はなんでもする。なのに、夫たちはどこか他人事。そんな彼女たちがほろりとしてしまう瞬間が描かれる。個人的には、こんな夫を育てたのはあなたたちではありませんか?さっさと他人になりましょうよ、と語り掛けたいが、ここの女たち、日本が戦争で負けてからこっちは…なんで語り口で、こちらも叶わない相手に思える。幸せになってね。

2021/01/29

新地学@児童書病発動中

『それでもこの世は悪くなかった』が面白かったので、直木賞受賞作を含むこの短編集を読んでみた。女性の登場人物達は、いつも男性のふがいなさに腹を立てている。その腹立ちを回りくどく書くのではなく、直接書いているので痛快で可笑しかった。「戦いすんで日が暮れて」は実感がこもっているので、自分の経験を昇華して書いたのだろうか。借金を作ってしまった夫に憤りを感じながら、同志として連帯感を感じてしまう点が可笑しい。「田所女史の悲恋」は男勝りの女性の片思いが切なくて一番印象に残った。

2018/04/30

harass

目を通してみたかった名は聞いたことあるぐらいの女流作家の直木賞受賞作を含む短編集。受賞作の表題作のみ読む。夫が経営する会社が倒産するが、作家の妻は怒りと意地を武器に奮戦する。実話なのだそうだ。他の短編もちょっと読む。どれも、夫の倒産というエピソードは同じだが、視点や設定がいろいろ違うようだ。著者の物言いが唯一無二かと。

2020/01/26

hit4papa

強い女性としょうもないヘナチョコ男性が織りなす短編集です。著者の経験に基づくようですが、濡れ落ち葉な旦那の姿が悲哀を誘います。ある意味バランスが取れていると言えるでしょうか。タイトル作「戦いすんで日が暮れて」、「ひとりぼっちの女子」、「敗残の春」はシチュエーションが似ています。よっぽど腹に据えかねたのかなぁ。その他の収録作は、主婦と下宿人の男子学生な関係『佐倉夫人の憂鬱』、冷えた夫婦に起きたさざ波『結婚夜曲』、妙齢の独身女性が恋したのは20近い年下の部下『田所女子の悲恋』他です。<直木賞>

2020/05/31

なる

大御所だけど未読の作家を読んでみようシリーズその14は佐藤愛子。御年97歳になり、これまた多数の文学賞を受賞している。直木賞受賞の本作は二度目の夫(最初の夫は死別)がつくった借金を背負ったエピソードを元に作られており、収録されている8篇のうち大部分がその頃の話になる。いわゆる大衆小説のジャンルになるだろうか。孤軍奮闘する母親・妻である主人公がダメな夫に毒づきながらそれでも家庭を守って行くという力強さにあふれている。幼い娘との関係性を見事に描いた結びのシーンが印象に残る。まさに「戦いすんで日が暮れて」。

2021/08/07

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