カルマ真仙教事件(下) (講談社文庫 は 92-17)
カルマ真仙教事件(下) (講談社文庫 は 92-17) / 感想・レビュー
W-G
なんか、風呂敷を畳みきれなかった感がある終わり方。5億円の話も、どこか奥歯にものが挟まったような歯がゆい描かれ方に感じる。公安内のすったもんだで頁を割いており、人事の入れ替わりとか、それはそれで面白いけれども、カルマ真仙教の深い闇を描きたかったのか、その事件を通り抜けていった警察組織内の人間を描写したかったのか、焦点がぶれてしまっている印象は強くある。露骨にモデルとなっている人物がいるのがわかる作りなため、主人公の眼を通した人物評が作者の主観というか、好き嫌いを反映させているだけにも思えてしまうのも残念。
2017/12/28
KAZOO
最終巻は、決着らしいものはあまり感じられないのですが、北朝鮮の関与とかいうことで濱さんが他の本でも着ておられるようにかなりご自分の思い入れをこの著書に託した感じがしました。実名で書いてもいいのでしょうが、現存している方もいらっしゃるのでそこは仮名にしているのでしょう。やはり警察庁・警視庁の権力闘争というのは、キャリア・ノンキャリアを巻き込んでの込み入ったものになっている感じですね。
2017/12/29
HANA
我々が知っている松本サリン事件や地下鉄サリン事件、長官狙撃といった大事件は全て書かれて終わり、内容はほとんどがそれらの捜査の様子に終始した一冊。その為中巻まではまだ舞台裏からでも舞台を見ているような感じを味わえたが、本巻においては舞台どころか楽屋を覗かされている雰囲気。終始内輪向けの人間関係と話し合いの様子が書かれ、門外漢にとっては関係ない会社の人事の様子を見せられているようでした。あの時代に起きた数々の事件を裏側から振り返ろうとした試みは面白いのかもしれないけど、それらが全て警察関係者の事情なのは…。
2022/11/17
忍者千乗りの門戸開放
上中下巻読了。 ずっと感じていた違和感?読みにくさ?は最後まで続いた。 主人公が好きになれないのと、ストーリー展開が少し雑。 特に下巻では、主人公の嫌味な感じはなくなってきたが、結果、このフィクション?ノンフィクション?で作者が何を伝えたかったのかが分からない。 警察組織の縦割り(刑事部と公安部)や政治家との癒着、情報統制等が、国民に悪い影響を与えているのが悔しい。そのことに対し、何も出来ない国民は、どうすれば良いのだろう? 超大作の割には読了後の満足感はあまりなかったのが残念。 ありがとうございました。
2020/09/02
ミエル
ようやく読了、上中巻のスピードから失速、ほぼ惰性で読み切った状態。実際の事件の関係者として、平成の区切りを見越した集大成的作品なのだろう。特に下巻ではあまり読み手を向いていない視点のように感じる場面が多く、見捨てられた気分。面白かったと言えば面白かったけれど、終始鷹田の万能感が現実味がなく不気味だった。
2018/02/14
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