冥の水底(下) (講談社文庫 し 100-4)
冥の水底(下) (講談社文庫 し 100-4) / 感想・レビュー
きっしぃ
下巻は一気読み。ホラー、サスペンス、家族など、たくさんの要素があったけど、これは哀しいラブストーリーでした。マガチに生まれてしまったからには、今生は諦めるなんて、なんて哀しいんだろう。シズクは純粋過ぎたけど、"勝手に他人に夢見て、勝手に裏切られ、勝手に傷つく"本当に誰しもに言えること。この言葉は心に残った。最初の狼男の死体の話とか、光恵の失踪とかの解決が呆気なかったのと、最後に市原が殺されそうになる根拠が理解できず、だったのが残念かな。マガチ設定はすごく面白くて好みでした。
2017/12/06
ココ(coco)
☆☆☆★長編でしたが飽きる事無く最後まで引き込まれました。最初は純粋な青年だったシズクが都会の人と街に影響され変わって行く姿と、初恋が忘れられず、最後まで想いを貫き通した所が切なくて悲しい。朱川さんの作品は、昭和のノスタルジーに溢れていていつも楽しませて頂いています。
2017/11/22
小夜風
【所蔵】最後まで読んで「おおかみこどもの雨と雪」を大人向けにした印象を受けました。この時代を生きていた人なら誰もが知っているような実際の事件を絡めてしまったことは、賛否両論あるかなと思います。特に「僕だけはいつまでも、君の味方です」なんていう台詞は、軽々しく使うべきではなかったかなと、複雑な気持ちになりました。そういうこと抜きにして、全部ファンタジーとして楽しめたら良かったのに、そこが少し残念でした。最後も唐突に終わってしまった印象で、玲人と一真がその後どうなるのか、ふたりの絆ももう少し知りたかったです。
2017/12/04
ちょん
「どうせ今生は失敗したのですから、そんな風に生きてもいいじゃありませんか。」読み終わってしまったー!最後がドタバタドタバタした感じはありますが、綺麗なお話でした。うん、綺麗って言葉が合うなぁ(>_<)物語の軸になるシズクという男性、ずっと綺麗なものに憧れて夢見てたんだなぁと思うと切ない。読みごたえのある物語でした!
2018/04/30
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お互いの心を取り出して見せ合うことが出来ない以上、幻想に振り回されながら生きていくしかないのかも知れない。彼の一途な想いが物語を駆け抜ける。あらゆるジャンルを取り入れ、その全てがぼんやりした中で、冥の水底から見上げた光がより際立つ。
2019/02/10
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