決戦!大坂城 (講談社文庫 け 19-2 決戦!シリーズ)
決戦!大坂城 (講談社文庫 け 19-2 決戦!シリーズ) / 感想・レビュー
ナルピーチ
決戦!シリーズ【大坂城編】徳川軍と豊臣軍の最後の戦いを七人の武将達の視点で七人の作家さんの手によって独創的な物語として巧みに描かれていく。最も意外性のある話としては真田信繁を軸にした『日ノ本一の兵』木下先生による新解釈で描く信繁は兄への嫉妬と手柄を追い求める為の手段を選ばない姿を奇想譚として綴る。次いで伊東先生による『男が立たぬ』福島正則から弟・正守に与えられた使命。仁義を貫き通す男の死に様をまざまざと見せつけてくれた。全篇ともに武将達が抱える矜持を最大限に活かした力作ばかりで読後感も清々しかった。
2024/10/15
キャプテン
★★★★☆_「*不定期開催*日本小説100名城フェア」No.002。うわーい!!まだ2城目だー!【大阪城(大阪府大阪市)】太閤秀吉が作り上げた、最強にして、最高の絢爛さを誇った天下人の城。国内最大級の総構えを備えていた。大阪冬の陣、夏の陣を多角的に描き出す短編集。真田信繁と豊臣秀頼のかっこよさが際立つ作りになっている。長宗我部盛親の方が好きな俺としては、少し寂しい。大阪城が動くとき、それは日本の歴史が動くときである。壮大な復元天守が目玉として知られているが、全体的な縄張りの作られ方を俯瞰するのがオススメ。
2019/01/09
ベローチェのひととき
決戦!シリーズ、8冊目。今回は大阪城を読んだ。7人の作家による7編の短編集。今回の主人公は、松平忠直、真田信繁、近江屋伊三郎、水野勝成、福島正守、淀君、豊臣秀頼の7名。豊臣秀頼や淀君については作者によって見方が異なり色々と描かれている。今回の物語についてもなかなか面白い内容でした。どの本を読んでも秀頼は頭が切れる人物として描かれている。だから家康も怖かったんだろうと思う。
2024/04/13
Our Homeisland
決戦!2冊目。大阪の陣の話は先ごろ万城目氏の「風太郎」を読んだばかり。これまで読んだものからの平均的なイメージは、何とかしたい浪人衆と、大野兄弟などに言われるまま何のリーダーシップも発揮できずに家康にされるままになっている情けない淀と秀頼というものであるが、淀と秀頼の思慮とリーダーシップ、幸村のイメージも覆す話などバラエティに富んでいました。福島正則の弟のクローズアップも初めて。それにしても水野勝成という武将の経歴のユニークさには本当に驚かされました。関ケ原やその他も早く読みたいです。
2019/09/24
むた
歴史小説がこんなに面白く感じる歳になったかおれ。大坂冬の陣、夏の陣をそれぞれの武将を主人公に魅力的な作家さん達が描く。立場が違えば正義も変わる。関西人としては徳川はん、そらあんまりでっせ、と言いたくもなるエピソードもあるが秀頼を追い詰める家康の覚悟も凄まじい。現代のサラリーマンこそ命をかけて自らのプライドを護ろうとした男達の生き様を見倣うべき。無理か。
2019/01/21
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