家族シアター (講談社文庫 つ 28-19)
家族シアター (講談社文庫 つ 28-19) / 感想・レビュー
馨
家族がテーマの短編集。これはかなり名作揃いなのでは?と読了後思えるほどどの話も素晴らしかったです。姉と妹、孫とじいさん、子供と親と、祖父母とひいばあさん、兄弟等色んな家族とのシチュエーションの話ですが、どの世代の人間の心情も物凄くよくわかっているのが凄いと思いました。喧嘩しても、気まずくなっても家族は知らぬ間にまた会話をする、うっとおしいこともあるけれど家族はいつ何時でも家族であることを実感しました。『タイムカプセルの八年』が好きです。
2018/05/01
カメ吉
短編集ですが、どの作品も良かったです。懐かしさ満載で忘れてた記憶が戻ってくるような感覚な話が多かった。『家族』の親子であったり、姉妹であったり孫であったり…。 どの作品も親の目で見る感じで感情移入してしまう。 さすがは辻村深月作品でした。
2018/05/05
hit4papa
家族をテーマとした7作品が収められた短編集です。自分は年齢のせいか、父親やじいさんのお話にはホロリときてしまいます。やっぱり、家族は色々あっても、やっぱり家族なのです。良かったのは『私のディアマンテ』、『タイムカプセルの八年』、『孫と誕生会』。特に、『孫と誕生会』は、距離を置いて孫を見守る祖父の姿に、ホロリくる作品。孫に、竹とんぼを通して元気を与えるシーンが良いのです。あぁ、これに感動するようになるとは、自分もじいさんになったという証拠・・・。息子であり兄であり父である自分は、じいちゃんの役割を残すのみ。
2020/08/18
さてさて
『家族というのは、喧嘩をしても、いつの間にかまた口を利くようになる』。7つの短編に7つの『家族』の物語が描かれていくこの作品。そこには、『家族』愛に満ち溢れた優しい物語、辻村さんだからこそ出せる『家族』の意味を再認識させられる、『家族』がとても愛おしくなる物語が描かれていました。”辻村ワールドすごろく”の重要なピースでもあるこの作品。短編とは思えない、物語の奥深さに驚くこの作品。辻村さんの作品の中でも地味な扱いを受けていることがあまりにもったいないと感じる、もっと読まれるべき素晴らしい作品だと思いました。
2024/06/04
Sato19601027
「家族」不思議な存在だな。気を遣わずに、無理なく自我を主張できる相手だからか、時には反発もするが、底辺では信頼もしている。この本は「家族」をテーマにした7つの短編集。登場する姉妹、姉弟、母娘、父息子、祖父孫、夫婦、どの設定でも、お互いを思いやる心に温かい気持ちになる小説集だ。NHKラジオの朗読番組で「『妹』という祝福」が放送されるというので読み始めたが、全作を読み終えて、どこか懐かしい気持ちになった。「1992年の秋空」の妹を思いやる姉の誇らしい気持ちが胸に響く。家族にも、他人にも、優しくしようと思う。
2024/01/01
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