涙香迷宮 (講談社文庫 た 27-9)
涙香迷宮 (講談社文庫 た 27-9) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
天才モノは大好き!まして天才同士の対決モノは血湧き肉躍る、己にしばし没頭の義務を課す程の大好物!100年前に実在した傑物、黒岩涙香(黒い悪い子ぅ)が残した謎に現代の天才棋士が挑むのだが、涙香の天才ぶりが遺憾なく表現されているのはまさに著者の才の成せる業。天才の異次元度を読み手に感じさせる為に使われた『いろは歌』が本作の肝であり超異次元!著者含む超天才達の三つ巴の勝負、他に類を見ない暗号ミステリーの頂点の1つと言える!途中の読み辛さも今思えば結末への調味料か。読中きっと『スゲェ』を数度口ずさむだろう‼️🙇
2019/04/07
Aya Murakami
平成べストミステリーズ対象本。 予備知識なしで手を出した本なのですが、囲碁がらみの名探偵のシリーズもののようですね。チェスがらみのミステリーはいくつか知っていたのですが、やはりボードゲームがらみで囲碁ミステリー書く人もでてくるよね…。 本作では囲碁のほかにも涙香もかかわってくるようです。昔の時代の人ながら多才な人らしいのですが、どうやら家庭環境には恵まれなかったとか…。隠れ家も趣味もつらい現実を紛らわすささやかな娯楽だったのかも…?複雑な話だったので要再読。
2018/12/24
かみぶくろ
このミステリーがすごい第1位を獲得するだけあって、暗号構築の超絶技巧が本当に「すごい」。一方で、薀蓄だらけのストーリーラインはテンポも悪く全然「面白くない」。このコアなミステリーファン以外置いてけぼり感は、小栗虫太郎はじめ結構よく感じるんだけど、この難解な暗号を自分で解いてカタルシスを得られる層は日本国内に何パーセントくらいいるんだろうか。おそらく極めて少数だと思うが、それを踏まえて作者はこれをやってるんだろうから、逆に探求者としてのストイックさがカッコいいとも思う。
2018/03/25
chiru
天才囲碁棋士が、いろは歌に仕掛けられた謎に挑む、天才vs天才の暗号ミステリー。この作品は『言葉のミステリー』といっていいかも。ひらがなと日本語レトリックの多様性に改めて驚かされる。48字を重複させずに意味が通る文章に組み立てるだけでも凄いのに、さらに暗号を仕込むという最高難度のテクニック。仲間内の推理合戦がおもしろく『ウミガメのスープ』の、質問から真相を導く水平思考パズルがすごく好み。暗号とミステリーがバラバラな感じはあったけど、鮮やかな暗号解読に圧倒されました。 ★4
2019/05/22
おかむー
これシリーズものなのかと読み始めてはじめて気づく。主人公をはじめ登場人物の個性がシリーズ既読を前提している感があるので少々ひっかかり。『よくできました』。実在した日本ミステリの創始者ともいわれる黒岩涙香の功績、事件の軸となるいろは歌と競技五目並べの「連珠」など、それらに関しての解説がとにかく膨大で、約450pのうち1/3ぐらいは数ページ十数ページに渡って蘊蓄が続く感じなので正直飛ばし読み(笑)。ミステリとしてはちゃんとしているのだけれど情報量に終始胸焼け、この傾向の作家さんなら他はもういいかな( ̄▽ ̄;
2019/02/24
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