可愛い世の中 (講談社文庫 や 66-5)
可愛い世の中 (講談社文庫 や 66-5) / 感想・レビュー
Junichi Yamaguchi
『夢』… 可愛い世の中と思える人になりたい。 生々しい額のお金のやりとりは妙に背中がくすぐったいきになった。 ヒロインがいつか作る「経済力」という名の香水… 読後、その香りを想像することをやめられない。。
2018/06/20
ちぇけら
「褒め言葉を期待せずに、自分の努力は自分だけがわかっていて、人に伝えないようにするのが一番なのだ」強くて脆い自立心だ。それは男だからとか女だからとかで測られなくない強い気持ちを持った自意識のせいだろう。他のひとから見られる自分に合わせることができない。こうありたいという自分を歪めることができない。そんな「可愛い」が乱立する世の中で可愛さの平行線でなんとか生きていこうとする意志が、ぼくにとってはとても苦しかった。
2019/04/01
ぱなま(さなぎ)
「そうだ、私は紳士として社会から扱われたい、という欲望があるのだ」こんな文章に出会えるとは思っていなかった。なぜなら私も同じことを考えたことがあったから。この社会では女に生まれると、女である自分のままで、紳士として扱われることはできない。もちろん、女だからと可愛がられて得をしたことも何度でもある。ただ、自分の思われたいように思われるのはほとんど無理、なのだ。作中の豆子は、自分なりに考えた結婚式の大失敗でそのことを悟る。でも、自分の考えたことを行動に移す人のことを、私は可愛いと思う。
2018/06/17
こゆび
可愛いを良しとする世の中と、可愛くなれない女、豆子。褒められたい。嫌われたくない。認めてほしい。自分を持っているのに、自分に自信を持てていないから彼女という人間はややこしい。ただね豆子、自分のために考えをあれこれ並べるよりも、相手のためにたった一言ありがとうを伝えることの方が大切なときもある。そんな風に私は思うよ。
2021/03/31
わんつーろっく
雲ひとつない青空のようなブルーの表紙に、可愛い世の中。どんな世の中?解説は山本文緒さんで、自立と可愛げの両立とある。花・豆子・草子・星と名付けられた四人姉妹の物語だが、主人公は結婚を決めた豆子。結婚おめでとうなんて、言って欲しくない。腹をくくって稼いで、結婚生活に責任を持てというエールが聞きたいと。ゴボウの香水は想像がつかないけど、経済力のない夫を選んだ豆子の幸せのカタチを見守りたくなる。
2024/01/10
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