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神さまのビオトープ (講談社タイガ ナC 1)

神さまのビオトープ (講談社タイガ ナC 1)

神さまのビオトープ (講談社タイガ ナC 1)

作家
凪良ゆう
出版社
講談社
発売日
2017-04-20
ISBN
9784062940672
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神さまのビオトープ (講談社タイガ ナC 1) / 感想・レビュー

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さてさて

人がそれぞれに思う幸せの形は異なります。他の人からすれば奇妙奇天烈なことでも、その人にとっては大切なこと、その人の心の内に形作られるその人だけの世界はあります。人それぞれの世界の中で完結する限りにおいては、誰も誰かを否定することなどできません。心の拠り所は人それぞれです。それは相手のことを思う時も同じです。それぞれがそれぞれの形で相手を思い、思われる、それが私たちが生きるこの世界。そう、その世界こそが神さまが私達に用意してくれた『ビオトープ』なのかもしれない、そんな風に感じた不思議な感情の残る作品でした。

2021/03/17

三代目 びあだいまおう

ビオトープ:安息の地。神様が御座します場所とでも解釈できそうなタイトル。この素敵な作品を表すにふさわしいタイトルですね。結婚して間もなく夫を事故で喪ったうる波。葬儀を終えて消沈する彼女の前に、亡くなった筈の夫の姿が!端から見たら狂ったとしか思われないような状況、うる波は愛する夫の姿と仲良く暮らす。様々な愛のかたち、人知れぬ恋心。周りの常識と違うことへの悩みや覚悟。いいじゃん‼️だいたい他人と同じを求めること自体がおかしい!違っていて当たり前。幸せを他人と比べてどうする?それはあなた自身が決めること‼️🙇

2020/08/23

ウッディ

事故で亡くなった夫「鹿野くん」の幽霊と暮らす「うる波」、二人分の食事を作り、他人からは見えない夫に語りかけるうる波に、同情という名のお節介を焼く周囲の人々と大好きな人と一緒にいられる幸せを感じる主人公とのギャップが物語の核になっている。誰もが胸に抱え、他人に理解してもらえない秘密がある。幽霊の鹿野くんは何をしてくれる訳ではないけれど、ただ自分の傍にいてくれるだけでいい。そんな二人の会話が軽妙で、お互いへの深い愛情も感じられ、いつまでもこの物語の世界に浸っていたいと思った。面白かったです。

2021/10/06

sayuri

「アイシングシュガー」「マタ会オウネ」「植物性ロミオ」「彼女の謝肉祭」4話収録の連作短編集。『流浪の月』ですっかり心酔してしまった凪良さん、本作も良かった。全篇を通して感じたのは垣根のない愛。事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らす主人公・うる波の周囲で起こる4つのエピソードを通して幸せの意味を改めて考えさせられる。誰かに強制されたわけでもないのに勝手に枠の中に入り、無意識に世間に縛られている自分に気付く。同じ人間が一人もいない様に愛のカタチがいくつあっても良い。人を肯定する優しさと慈愛に満ちた物語。

2020/02/18

美紀ちゃん

ABCDEFという6人がいる。ABCDEの5人の命を助ける代わりに、Fの命を捧げよと言われたらどうする?より多くの人命を守る。大事な人を1番に守る。この2つは両立しない。ずっと鹿野くんに生きていて欲しかったという本音がやっと言えたうる波さん。秋くんは春クンを生き返らせたら、その次にうる波さんの旦那さんのロボットを作ると約束してくれた。連作短編集。どれもとても良かった。酒井先生の器は小さすぎてひどい。大学受験前の大切な時期に腕を骨折してしまった安雲くんお大事に。そしてお幸せに。凪良ゆうさん、とても良い!

2020/11/03

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