ディリュージョン社の提供でお送りします (講談社タイガ ハA 1)
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ディリュージョン社の提供でお送りします (講談社タイガ ハA 1) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
舞台を作り、本の中の世界を実現する会社。依頼者自身も劇を演じていくことを、読書になぞらえている。殺人事件の芝居がうまく進行せず、どんどん想定外のことが起こる。読むうちに、劇と現実との区別が混乱する。登場人物たちは混乱しないが、読者は混乱する点がおもしろい。劇中劇の設定を利用したミステリは多いが、ここまで両方がからみあうのは珍しい。メタミステリとして楽しめる一編。
2018/04/10
hnzwd
顧客の要望に応え、本の世界を現実の劇として再現するディリュージョン社。嵐の山荘物を舞台にしたら、予想外の事件が起き続け、、。と、いう子供向け作品が多い作者の新シリーズ。子供向けといいつつミステリ部分はしっかりした作品が多いので、今作もその部分はきちんとしてたかな。主人公は別作品の作中作に出てくるキャラクター。全く本を読まない設定はありがちですが、名探偵好きとしては、もう少し突き抜けたキャラクターを期待してしまうのです。
2017/04/26
hirune
本を読まないのに、物語を実際に体験できる本の会社にエディターとして就職した森永美月…まるで女性版成人版の内藤内人みたいだなぁ。でもしくじりながらも推理力はあるのね。有能な作家という手塚は、企画したメタブックで 用意した不可能殺人のアイディアは一つも成功してないし、間違った推理で大威張りだし、一体本当に有能なのか?とちょっとイラっとした。まぁいいのかな、軽くて面白く読めました。
2017/09/17
のんちゃん
現実世界に物語の舞台を造り、物語の世界を体験させることをビジネスとしている会社、ディリュージョン社に入社した新人の編集担当の女性とオプション依頼の物語を作る作家の男性が巻き込まれる、お仕事ミステリー。かたい話ではなく、どちらかというとコミカルに話は進む。ドロドロしない2時間ドラマにもなりそうなお話。新人編集社員は土屋太鳳ちゃんのイメージだった。作家の男性は玉木宏さんでどうでしょうか?
2017/09/02
ユメ
子どもの頃の読書を彩ってくれたはやみねさんの名前が懐かしくて手に取った。そして、あの頃と変わらず、最高に楽しませてもらった。ディリュージョン社が提供するのは、物語を現実世界で体験できる「メタブック」。この世界観にまず心が躍る。ディリュージョン社の新人エディター森永美月の元に持ち込まれた依頼は「不可能犯罪が起こる本格ミステリを体験したい」というもの。完璧なメタブックを用意したはずが、リーディングが始まると不可解な事件が続出して…現実と虚構の境界線が滲んでいくのに痺れた。ひさしぶりに、赤い夢を見せてもらった。
2017/05/03
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