月は東に (講談社文芸文庫ワイド やC 1)
月は東に (講談社文芸文庫ワイド やC 1) / 感想・レビュー
湯豆腐
自己や意思の不確かさを描いた哲学小説として読むことも、過去とどう向き合うかという戦後小説として読むことも、告白すべきことなどあるのかという文学論として読むことも、不倫が周りにバレていくゴシップ小説として読むこともできるが、その分終止捉えどころがなくもやもやした気持ちになる。それにしても安岡章太郎はまずそうな海苔巻きとか、くさそうなトイレとか、まずそうなビールとか、そういうものを描くのがほんとうにうまい。
2017/01/20
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