完本 百鬼夜行 陰 (講談社ノベルス キF- 18)
完本 百鬼夜行 陰 (講談社ノベルス キF- 18) / 感想・レビュー
優希
日常が壊れた瞬間に見える「闇」を描き出していると思います。妖怪に心奪われ、そのような存在になっているのが、人の出会う「恐怖」なのかもしれません。怪異の世界を美しく、日の当たらない暗さの中に灯した短編集だと思います。
2018/11/13
ソラ
こちらもサイドストーリー集。あぁ、あの話だなとすぐに分かるのもあれば良くわからないのもあったけれど、つまりはいつもの百鬼夜行シリーズだなぁという感じ。だけど、百鬼夜行シリーズだと思わなければ正直微妙だなぁとか思ったり。
2016/10/08
テツ
京極堂シリーズに登場したキャラクターたちのサブストーリー。彼ら彼女らに寄り添い脅かす怪異の数々により陰鬱な物語が広がる。本編の裏側、メインストーリーとは関わりがない時間軸では、中禅寺が落とさず、榎木津が破壊しないような場所では、様々な人間が禍事に飲み込まれ破滅しているんだよな。最期の『川赤子』だけは主人公が関口ということもあり直接的な破滅は訪れないがここから『姑獲鳥の夏』の冒頭に繋がると思うとなあ。読後にわりと気分は沈みつつも本編を読み返したくなる良いスピンオフ作品です。
2017/11/23
空猫
図書館。戦後直後の京極堂の世界に住んでいる人たちのサイドストーリーであり,語り伝えられてきた“妖怪”のごとき存在に心惑わされたり,当人がそうした存在に変化してしまったりしたお話がならぶ。結末はあるが,推理小説ではない(本篇の京極堂シリーズだって推理小説なのかという議論もあるけれど)。そして,怪奇を扱うが,ホラー小説でもない。しかし払えない・祓え切れない薄闇がつきまとう魑魅魍魎が傍にいる不気味。行き場をなくして内心を掘り下げ尽くした人間たちが,己のなかに開いた深淵に落ち込んでいく物語。
2016/10/18
chatnoir
うっひ〜。この人の本は厚いよね。ちょっとレトロな時代背景で、人間なんだろうけど、妖怪に取り憑かれたような、人間性が妖怪じみたようなお話の集まりで、嫌な汗をかく感じ。面白いけど、疲れた。
2022/01/16
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