QED ~flumen~月夜見 (講談社ノベルス タS- 47)
QED ~flumen~月夜見 (講談社ノベルス タS- 47) / 感想・レビュー
ひめありす@灯れ松明の火
この本にある通りかつての人々が月を解釈していたとしたら、藤原道長の「この世をば我が世と思う望月のかけたることもなしと思えば」という超有名なあの一句はどういう意図で読まれたものになるのだろう。肥大した濁りを受け止めて、あらゆる怨嗟に己の周りが満ちているのを知って、それでもなお「我が世と思う」と詠んだのだろうか。それならそれで感慨深いものがある。これこそが『強者が後世に作った歴史』になるだろうから。それより何よりもだもだの恋どうかうまくいきます様に。このままでは奈々ちゃんが死んで新たな玉代姫になってしまいます
2017/01/31
ままこ
久々に読んだQEDシリーズ。京都の神社で起きた殺人事件を発端とした連続殺人事件に巻き込まれる。まぁ犯人は多分あの人だろうと早めに予想できたが今作のキーワード『月』に関する崇独自の蘊蓄は面白かった。付かず離れずの崇と奈々の関係が少し前進しているようでニマニマ。
2017/12/21
ポチ
月読命には興味があったので薀蓄を楽しみにしていました。やはり悲しい闇の歴史があったのですね。そして十五夜の月見も怨霊とされた人々を鎮める為の行事だったのですね。お詣りしたい神社がまた増えました(^^)
2017/03/30
山本真一郎
読了。もう出る事は無いだろうなと思っていたところへの、約3年振りのシリーズ最新作。テーマは「月読命」。素戔嗚尊、天照大神と共に伊弉諾尊から生まれ出た神でありながら謎が深い。平安貴族達が素戔嗚尊や天照大神と同じ様に月読命、と言うよりも月を忌み嫌ったのは何故なのか、と言うのが本作の最大の問い。明かされるその正体には「なるほどね」と納得。他シリーズと一緒で作中で起こる殺人事件とかは殆ど関心が持てないのもいつも通り。さて、また忘れた頃にシリーズの続きが出るのかどうか、期待せずに待ってみるのも悪く無さそうかな、と。
2016/11/20
さつき
QED久しぶりの新作。まだまだ続くということでしょうか⁈嬉しい。作者の別のシリーズも読んでますが、やはり薀蓄を語らせたら崇にかなう人はいませんね。今回は三つ巴紋の話しにすごく納得しました。寺社参りに行くとかなりの確率で目にする紋で気になっていたんです。そして「月夜見手毬唄」についての巻末の注意書を読んでホッとしました。あんな怖い唄で鞠つきしてる子供がいたら…ホラーです。
2016/11/16
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