刺客列伝
刺客列伝 / 感想・レビュー
sin
鄭問の筆力のすごさに魅了される。それはともあれ中国の春秋戦国時代を代表する刺客たち、その有り様は今の時代の我々にとって言い訳を駆使して行動を正当化する自己顕示欲の固まりとみえる。それゆえの強烈な個性が武侠としての彼らの個性を際立たせるものか?それとも後の時代が彼らを美化していったものだろうか?いずれにしても今日に名を残した者たちであることは、否定できない事実である。
2014/01/22
キジネコ
司馬遷の「史記」全130巻。その第86巻「列伝」第26巻にあたるのが「刺客列伝」。 テーマは「侠」、「士は己のを知るもののために死す」列伝に題材を求めた 美しく奔放な画本です。中国の英雄譚には 己の命よりも大切にするべき知己との関係を扱った史実に基づくストイックなエピソードを多く見ることができます。大好きな物語群なので作家を問わず様々な作品に手出しを致します。 この台湾の作家、鄭問の画本も以前からの念願の対象でした。「曹沫」「専諸」「豫譲」「聶政」「荊軻」の5篇収録、解説文の味わいが物足らず、唯一の不満。
2013/11/03
シガー&シュガー
モノクロでもカラーでも鄭 問の描き出す画面のダイナミックさには目を見張るばかり。日本の劇画とはまた違う、余白と筆跡の美しさが楽しめる。ここでの「刺客」は、私がイメージしているものよりもずっと主体的で、義に厚い人間のこと。刺客たちの腕っぷしの強さよりも、一つのことを思い定めたらやり通す強さのほうが際立って印象深い。その凄味と強さと美しさを描くならば、鄭 問ほどの画でこそ作品としてのバランスが取れるのだろうな。
2017/05/05
ホークムーンmk2
この本は魯の将軍曹沫を始まりとして、年代順で連作のように有名な刺客を描いている。紹介されているのは曹沫、専諸、豫譲、聶政、荊軻の順。専諸は伍子胥について書かれた小説で知っていたが、曹沫、豫譲、聶政はこの本で知った。しかし、取り上げられた刺客全員が自分を手厚く遇してくれた人のために命を投げ打って事に当たるのだが、恩に報いる純粋さは現代の人に欠けているものなのではないかと思う。
2018/01/14
fest@蔵書整理中
発掘、作者の作品履歴としては、本作→北周→始皇のはず。オリジナル作品はいまいちですが、歴史題材は素晴らしいと思います。この作品はフルカラー。
2014/11/05
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