劇画漂流(上) (講談社漫画文庫 た 17-1)
劇画漂流(上) (講談社漫画文庫 た 17-1) / 感想・レビュー
seer78
漫画とは異なる表現を目指す、戦後の若者たちの群像劇。手塚治虫の七回忌の場面から始まるが、すでにそこはかとなく哀愁漂う。上巻は大阪を舞台に、主人公の子ども時代から。手塚への憧れありつつ、それとは異なる何かを模索する日々。現在とは漫画の社会的地位が違い、全然市民権を得ていないのが面白い。父親が事業失敗とか、兄弟で漫画家を目指すとか、戦後初期の活力漲る一方でどこか抜けてる感じは21世紀から振り返ると新しいものが生まれる条件とは何かを考えさせられる。北摂地域(主人公は蛍池に生まれた)が漫画史で描かれてるとはなあw
2016/01/28
leopard gecko
劇画の生みの親の一人である辰巳ヨシヒロ氏の自伝的漫画。劇画は従来の漫画を否定して生まれたものかと思っていたが、著者は手塚治虫に深い尊敬の念を抱いていたらしくプロローグは手塚治虫の七回忌から始まる。主人公が子供の頃からたどっていく道は同じく手塚を信奉する藤子不二雄Aの「まんが道」とよく似たものである。劇画を目指していく主人公たちとトキワ荘の面々は全く違う方向性を目指したように見えるが出発点は同じだったことがよくわかる。手塚漫画が持っていた大人向け要素を突き詰めていったのが劇画と言っても良いのではあるまいか。
2013/12/16
シーナ@食べ物漫画好き
上巻 ほぼ知らないけどレジェンド漫画家で海外評価が高いとのことで。ヤハリ手塚先生のエピソードは面白い、自分の作品採点させるとか… 真面目と奇人の紙一重な感じですよね。
2017/07/26
美味・滝本
手塚治虫や藤子不二雄さん達も描いている、一代記みたいなものかと思っていたら、ほぼ劇画時代の話。 特に貸し本屋の裏噺と青春記? リアルで借りまくっていた、私の年代の人達には、懐かしさとほろ苦い、思い出が重なり、作品の印象より、当時の事が思い出されて、「三丁目の夕日」の世界^_^ 書き手と借りる側。 ウゥ、とても書きれない。下巻に書ける?
2015/06/01
Doughnut
「劇画漂流」と思いました!
2016/06/04
感想・レビューをもっと見る