四月は君の嘘(5) (月刊マガジンコミックス)
四月は君の嘘(5) (月刊マガジンコミックス) / 感想・レビュー
優愛
乱れる演奏の末に止まる音と鍵盤を叩く指。でもそれは諦めじゃない、出直しと言うありのままの自分で演奏をするための挫折と見せかけた新たな挑戦。「君だけでいいや。君のために弾こう」弾く意味を、音を届けたい大切な人を見つけるだけで演奏がこんなにも煌めいて映るなんて。採点が全てじゃない、今大切なのは向き合うこと。自分と、音楽と、母親と。公生を変えたのは絵見と武士の影響もあるんだろうなと思うと音楽の中で初めて見る公生の人間らしさを目の当たりにしたようで嬉しい。川辺の蛍の中語り合う二人の純粋な思いは一層照らされていた。
2014/12/19
抹茶モナカ
母親の呪縛が解け、演奏中断の後、公生の演奏は宮園かをりに届くように、という思いから、輝き出す。コンクールは惨敗であったが、公生は変わり始めていた。ガラコンサートの出場依頼が、かをりと公生に来た。
2014/11/03
masa@レビューお休み中
毎報音楽コンクールでの、有馬公生の演奏が始まる。好奇と期待に満ちた聴衆たちを裏切るかのように、公生の演奏は三度音を変える。音が聴こえなくなる彼の演奏は、リズムが乱れ、速く、速く鍵盤を叩いていく。トラウマとなった母の映像、そして母の声。そのまま終わりを迎えるかに思えた直後、公生は演奏を止める。そして、演奏を再開する。新たに鳴らす音はガラリと変わる。きらめきを放つ音色は、人々の心に響く音楽となるのだ。音もないのに、彼の想いが、彼の熱情が胸を打つ。思わず泣きそうなってしまう。こんか演奏を僕は聴いてみたい。
2018/06/01
kanon
未読のここからを読む為に4巻までを読んで続けて読み始めたけれど…もう鳥肌の嵐でどうしようかと思った(笑)みんなの、根っからの音楽家たちの、音楽に対する愛情が本当に本気なんだと思いっきり伝わるから、心にずしりと響いて、感情の渦が、もの凄いことになっている。真摯に音楽に、自分に向き合ってみて気付くことをそのまま、丸裸のまま詰め込む。その音はすとんと心に落ちていく。「君のために弾こう」これだけでいい。星空をやけに眺めるのが好きだなあと思っていたら、重要でここだ!という場面で出てきて、もう、大好きだなあと思った。
2014/01/20
匠
引き続きコンクールシーンからスタート。公生のトラウマはやはり相当なもので、読みながら胸が苦しく胃が痛くなるほど。でもそこから真の音楽へと覚醒していく描写がまた素晴らしく泣ける。何のために弾くのか、誰のために弾いてるのか。答えを出せた彼はコンクールの結果がどうあれ、かなり成長できたはず。また、公生の母の友人で著名なピアニスト・瀬戸紘子の登場も今後の期待を大きく膨らませてくれる。季節はいつのまにか春から夏へ。蛍のシーンはカラーで見てみたかった。さて、かをりの元にはガラコンサートへの招待状が。次巻待ち遠しい!
2013/04/24
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