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ふらり。 (KCデラックス)

ふらり。 (KCデラックス)

ふらり。 (KCデラックス)

作家
谷口ジロー
出版社
講談社
発売日
2011-04-22
ISBN
9784063729962
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ふらり。 (KCデラックス) / 感想・レビュー

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マリリン

さすが谷口氏! ヘタな小説よりはるかに社会性も芸術性も感じる。江戸時代の様々な情景が心を和ませる。歩幅を気にしつつ歩く姿から「江戸の天文学」へリンクした。あの歌人も登場する。徒歩で蝦夷地までの旅に憧れる。本州縦断というダイナミックなレースもあるが、当時の人達の質素だが豊かな生活を生き生きと描き幻想感漂う作品は、まさに上質なバンドデシネ。仏芸術文化勲章受章も納得。漫画というものの好き嫌いを問われたら私は後者だが、枠を超えて谷口氏の感性に触れる事ができる幸せ。15の章を紡いだ作品の中「亀」と「蟻」が好き。

2021/05/21

ぐうぐう

江戸版『歩くひと』。町を計測のために歩き続ける主人公が、四季溢れる江戸の風情と触れていく。おもしろいのは、主人公が桜の木や亀や蜻蛉の視点になって、江戸の町を見上げ見下ろし、俯瞰して眺めているところだ。歩くだけではなく、そこでは彼は、這い、泳ぎ、そして飛びながら江戸を見ている。その主人公のイマジネーションが、実に楽しい。『ふらり。』を読んでいると、江戸の空の広さを思い知らされる。江戸の空には、空想を阻むものが見当たらないのだ。

2011/04/27

三平

江戸の喧騒や人々の息遣いまでを描くのが江戸漫画の第一人者杉浦日向子に対し、谷口ジローが描くのはどこか達観したご隠居視点の江戸。 それもただのご隠居ではない。主役はのちに日本全国を測量することになるあのひと。ある日は女房殿とゆるりと、別の日は鳥獣の視点を想い描いて川の底や遥か空の上から、江戸の様々な風景を見つめていく。 歩くよう速さで時間が流れる江戸の風情が見事に描かれている。 ふと疲れた時に読みたくなる大人の漫画。

2017/02/12

ぶんぶん

【再読】ただ歩く、それが興味をそそる、癖で歩数を数えてしまう。伊能忠敬、測量のはざまの日常を描く。ある時は「猫」のように、またある時は「鷹」のように。大江戸版「歩くひと」自由気儘に物見に耽る。さて、いよいよ蝦夷地にという所で巻が終る。 続編はまだか…

2014/03/22

剛腕伝説

毎日、江戸の町を歩測する伊能忠敬の日常を描いたコミック。谷口ジローの絵が良い。幕府より蝦夷地の測量の許可が下り蝦夷へ旅立つ伊能忠敬。亀の目線になったり、猫の目線になったりする展開が楽しい。

2022/05/26

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