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新装版 海帰線 (KCデラックス)

新装版 海帰線 (KCデラックス)

新装版 海帰線 (KCデラックス)

作家
今敏
出版社
講談社
発売日
2011-01-21
ISBN
9784063760330
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新装版 海帰線 (KCデラックス) / 感想・レビュー

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ぐうぐう

アニメ監督になる以前、今敏が漫画家だった頃の作品。初の長編作とのことだが、構成がしっかりとして、中堅漫画家のような風格すら感じる。リゾート開発に揺れる町と人魚伝説という古典的な設定と、大友克洋タッチの画風はマイナス要素ではあるものの、それでも夢中で読めてしまえるのは、丁寧に描かれたこれが漫画であるからだ。斬新な構図に何度もハッとさせられることからもわかるように、『海帰線』はアニメ監督としての今敏の成功を、すでに予兆しているのだ。ゆえに、たった4本の劇場用映画を遺して逝った事実に、改めて哀しみを覚える。

2019/02/09

たかやん

冒頭から画に見惚れる。「風景を食べては生きられんからね」とリゾート開発すすむ海辺の田舎町を舞台に、小振りな"現代版もののけ姫"のような物語が展開する。ストーリー運び自体は特別目新しさを感じないのだけれど、その画に惹きこまれる。特に水の描写、主人公少年への祖父の眼差しの変化に。ただ思い返すと、マンガの画をしっかり見ようとすること自体今までほとんどなかったかもしれない。今敏監督だと『PERFECT BLUE』が未見なのでそろそろ。

2018/09/05

片瀬

今敏さんというとアニメ監督!ってイメージでしたが、漫画も結構描かれてたのですね。舞台は海沿いにある架空の町・網手町です。リゾート地開発のため浜を削るという建設会社のもうけ話に猛反発する町民たち。さらには、豊漁をもたらすとされ、不思議な力を持つ「海人の卵」をめぐって大混乱します。卵の番を代々してきた神主の息子・洋介と、肉体美と仕草と左の泣きぼくろに劣情を催さざるを得ない年上で都会帰りの女の子・夏美との関係(いたって健全)も見逃せません。あとがきでは今さんの文才にもシビれました。お酒……(泣)。

2016/03/27

allite510@Lamb & Wool

漫画家でありアニメ監督である今敏の1990年の長編デビュー作。田舎町のリゾート開発と人魚伝説が絡む昭和バブルを感じる設定。週刊連載だったにもかかわらず映画を一本観たような緊密な展開が見事。絵柄は言うに及ばず、物語の展開のお手本を映画に求めるところも大友克洋的。あと女性登場人物を敢えて魅力的に描こうとしないところも。

2019/08/25

D4C

今敏さんの、初の長編連載物。地元に伝わる、人魚を巡っての物語だけれど、最後の最後までその人魚が姿を現さず、果たして人魚と言うものがいるのか?それともただの都市伝説的な言い伝えだったのか不明なまま突き進むのが面白い。青春+人魚伝説と言った感じですが、比重的には青春模様の方が高く、読後感は爽やかでした。

2016/11/08

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