昭和元禄落語心中(5) (KCx ITAN)
昭和元禄落語心中(5) (KCx ITAN) / 感想・レビュー
れみ
八雲と助六篇完結から与太郎再び。田舎の温泉街での落語会、良かったなあ。でもその先に助六とみよ吉にあんな最期が待っていたとは…残された方も辛い。そしてこれから八雲・真打に昇進した与太郎改三代目助六・小夏(と子ども)の物語がどうなるのかすごく気になるなあ。
2015/09/22
masa@レビューお休み中
ご縁、因縁、運命、宿命…。人と人は出逢っては別れる。それは誰しもが経験することである。しかし、そこに、契りとかしがらみとかが絡みだすと途端に厄介なシロモノになっていく。なぜ人間は誰かに出逢うのだろうか。不確かで、不明瞭な形なきものに固執するのは、ただ惨めで愚かなことではなかろうか。それとも、そんな不確かなものであるからこそ、後生大事にしていかなければならないのだろうか…。ようやく、長く紡がれた菊比古(八雲)と助六の過去の物語が終わりを告げます。そして現代に戻ったと思ったら、与太郎が真打昇進だなんて!?
2014/10/14
匠
みよ吉と助六の過去の真相、なるほど。喪服の八雲と小夏の表紙からしてもうこみ上げるものがある。小夏の八雲への反発、今現在の小夏の「助六の血を絶やしたくない」って気持ち、八雲の決心もせつなかったけど、現在の与太郎の何事にも動じない明るさに救われた。あらためて、八雲にとっての与太郎の存在の大きさと、その出会いの因果の深さに気づかされたりする。作家の樋口先生の、古典に挑むということの意味と新作落語を創り出すことの大事さを語るセリフがとても良い。守ってばかりでもいけないという言葉、個人的にすごく胸に響いた。
2014/04/07
greenish 🌿
落語を捨てた助六を追って叱咤の菊比古と、場末の高座で二人会。噂を聞きつけみよ吉と再会果たした菊比古なれど、なんと哀しや甘い夢・・・。八雲と助六編、完結 ---憂いを帯びた八雲師匠、八雲師匠に噛みつく小夏。2人の因縁、八雲師匠の長い長い独白が衝撃です・・・。「ほんとの名などとうに忘れた」自分の落語を生きることを赦されず、名跡と共に助六の魂を背負った八雲師匠の悲哀・苦悩が、ひしひしと胸に迫ります。「落語と心中」覚悟の八雲師匠を、「2人の中の助六を変える」と息巻く与太郎が、どう救っていくのか・・・次巻へ期待!
2014/09/10
1039kuri
八雲師匠の昔語りが終わり…話が与太へ戻ってきたあ!!なんだか師匠の話では私としては大盛り上がり的にテンション上がってたので、それが終わってしまって残念な気持ちと、大好きな与太に再会できて良かったという気持ちとが相半ばしてます。若いころの師匠ってすごく魅力的なんだもん。襲名の件も、予想はしていたけれど、あのシチュエーションでっていうのが感動しました。与太の心が広くてあったかみのある人柄が大好き。師匠もきっとそういうのにほだされてるんでしょうねえ。落語、いいなあ。
2014/02/08
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