昭和元禄落語心中(9) (KCx ITAN)
昭和元禄落語心中(9) (KCx ITAN) / 感想・レビュー
れみ
もう落語はやらない、できないという八雲に落語をやってほしい人たちの集まった小さな会でいよいよ…!と思いきや。ああタイミングが悪すぎるし無粋すぎる(-"-)そして…八雲が出会った芸の神様…まさか落語に合わせて死神?今までもそんな雰囲気はあったけど一気にホラーチックな巻末。次で完結らしいので八雲の行く末がどうなるのかすごく気になるなあ。
2016/03/08
masa@レビューお休み中
元気づけようとする者、泣いて悲しむ者、必死になって留めておこうとする者。それぞれの行動はちがうが、みんな愛があるから行動をする。昭和の名人である八雲師匠がいなくなるかもしれない…。その不安に誰もがざわめき、どよめいてしまう。誰も平静に事を見ることができていない。いや、もしかすると、当の本人である八雲は、すべてを見据えているのかもしれない。事の終わり、つまりは己の終焉すらも見えてしまっているのかもしれない。それでも、八雲はある選択をする。それは落語家としてではなく、人としての選択に思えてしまうのだが…。
2016/06/02
ももたろう
装丁はピンクなのに内容は切ない。与太、アニキ、センセイ、萬月、小夏…いろいろな人がいろいろな涙を流してる。特に八雲師匠の涙は、弟子入りしたばかりの時の銭湯(2巻)「八雲を名乗らせていただきます」(5巻)以来で印象的。泣き顔が子どもみたい。なんて顔するんだ~!!黒色の装丁からだんだんさわやかになってますが、最終巻はすべてがふっきれて白色に?長く生きればいいとは思わないけど、師匠に安らな気持ちになってほしい。(苦悩した色気は捨てがたいケド)先代の八雲師匠の時みたいにそれは弟子の役割だから与太チャン頼んだよ~!
2016/02/09
またおやぢ
八雲師匠が求め続けたのは、先代助六と一緒に作り上げた「落語」を葬り去る『死神』だったのかもしれない。故に『居残り』となった孤独にも身を任せ、自分の芸と共に、良き落語の時代と心中する覚悟をしていたのだろう。何も残さない覚悟が、孤高の名人を作り上げたのだ。助六やみよ吉への未練がありながらも、やはり『たちぎり』難いのヨタや小夏、信之介など今を生きる者達への愛情と、落語への飽くなき執着が夢になる前に、師匠には『佐平次』のように居直って貰いたいものだ。どんな終焉に向かい話は進んでいくか、胸が痛くなるシリーズ第9巻。
2016/02/07
あん
八雲師匠の演目が助六とみよ吉の亡霊を呼び寄せるのか、鬼気迫る内容でゾワーっと鳥肌が立ちました。 落語と心中すると言っていた師匠が、『死神』を演じた後初めて「死にたくない」と生への執着をみせてくれた。どんなクライマックスが待っているのか、見守っていくしかありません。
2016/03/10
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