ディザインズ(2) (アフタヌーンKC)
ディザインズ(2) (アフタヌーンKC) / 感想・レビュー
jam
「環世界」という概念が通底する。種としての時間や世界は一様ではない。例えば、象と蟻の1秒を概念として比すと、蟻の1秒は長く、もはや象は静止し、山との対峙である。時間のみならず、感覚や思考の全てが種の主観的世界であり、異種間では相違する。人は、人の物差しで他を慮ろうとするが、意味を成さない。しかし、私の環世界は唯一無二であると同時に何かの環世界のひとつ。そこに世界は完成し、干渉し、変化する。交じり合う一瞬が永遠となり、人は人ならざる者と遭う。進化も神も渾然一体となる宇宙。漫画でしか、表現できないことがある。
2017/05/17
傘緑
人か魔か獣か? 朝なのか昼なのか夜なのか? 五十嵐大介がとうとう生命の神秘、世界の構造、宇宙の始原、いわゆる神話と呼ばれる諸々のもの、絶対の秘密、神が如き”計劃(ディザインズ)”を臆面もなく精緻に捏造・改竄し、公へと流布し始めた…天帝の果物を掠め、地に下ろす、人の手に渡すが如き所業と言える、大罪の内の大罪である。ことが此処に至っては、もはやこの本の恐ろしい価値への厳正な審判と処罰(=正当な評価)は焚書(と坑儒)しか、火と灰(と土)しか残されていないのではないか?そう考えると安堵と不安から心が搔き乱される…
2017/05/15
JACK
☆ 遺伝子編集によって動物を人化させた生命体、HA(ヒューマナイズドアニマル)は、人間離れした戦闘能力を発揮し、戦場で多くの人間を葬ってきた。遺伝子を好きなように改変し、神の領域を侵す傲慢な科学者たちは研究を続ける…。躍動感のある衝撃的な絵と、最低限の説明のみで淡々と進められる物語。圧倒的な存在感の作品です。
2017/03/26
N島
五十嵐大介が綴る新『感覚』娯楽アクション。五十嵐先生の揺るぎない美的センスで容赦なく描かれる世界は、さながら生物の魅力を限界まで引き出そうとする実験室のよう。アクの強さはこれまでの作品以上。五十嵐先生の漫画に対する意欲を強く感じる作品です。
2017/03/25
阿部義彦
サンモント計画、イルカと蛙、ショーンとビクトリア、そして全ての中心となる謎の多い人物オクダ。今回は何よりも、全てのヒューマノイドアニマル(HA)の生みの親、ミセスビッグの正体が明らかに!絶句。まだまだ先は長そうです、謎を嗅ぎ回る新聞記者の様な人物も現れますます目が離せない展開です。2巻を読むに当たり矢張り忘れてる事多すぎて1巻から読み直しました。クーベルチュール、そもそもの成り立ちは何なのか、また彼女と共にいる幻の女はどんな関係なのか?もう次の巻が待ちきれません。
2017/03/24
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