ウムヴェルト 五十嵐大介作品集 (アフタヌーンKC)
ウムヴェルト 五十嵐大介作品集 (アフタヌーンKC) / 感想・レビュー
傘緑
表題作は『ディザインズ』の前日譚。退かれることを覚悟で告白するが、少女が月と交わってその子を孕む「ムーンチャイルド」がとくに好きw 五十嵐大介が世界の出生を悟し得、描きはじめた『はなしっぱなし』からの豊穣なる到達点。 五十嵐大介、猶その奥意を極め 、正に神妙ならんか、一点一格にして生るがごとくならん。願わくは長寿の君子、彼に擁護たれたまへ、あまりにその才の深ければ。
2017/05/05
Vakira
昨年の7月に森アーツセンターギャラリーにてルーブル「NO.9」の美術展を見に行った。BD:バンドデシネとはフランスの9番目の芸術ってことで実は天然色漫画のこと。そこで五十嵐大介さんの絵を見、一目惚れ。漫画は最近あまり見ないので知識なく、新鮮に気に入った。なんとなく諸星大二郎さん的な画風。たまたま本屋で初期短編集のこの本を発見。カバーのネコ科と合体少女の絵が桐谷美玲?魅力的でちょっとエロティックで、購入力ムラムラと・・・買ってしまった。「未確認生物」をモチーフにした短編集らしい。
2017/05/22
阿部義彦
五十嵐大介さんの短編集、発売日にディザインズ2と一緒に購入。「ディザインズ」の原型となる表題作をカラーで収録。諸星大二郎が民俗学、考古学的アプローチを取るのに対して五十嵐大介は分子生物学、アプローチをとるのか?いづれにしても両者は実に似ている様に感じる。流行りのアニメ映えする丸顔には反旗を翻した一見拙い絵柄しかし中毒性のある世界観。この中では「よかったね雨男」と「ムーンチャイルド」が好みでした。この両者の共通点は文化人類学的アプローチかな?追いかけて行きたい作家です。ディザインズ2も読むの楽しみです。
2017/03/24
N島
五十嵐大介の才気が宿る珠玉の短編集。初期短編集『はなしっぱなし』と『そらトびタマシイ』のエッセンスに最新作『ディザインズ』に繋がるヒントを付け加えた、非常に濃い内容になっています。「我々がどのように振る舞おうが、世界は在るべくして在る」五十嵐大介が掴んだ『世界の秘密』を垣間見ることが出来る一冊です。
2017/03/30
ライマウ・フレツリー
「はなしっぱなし」時代からの八百万の混沌を環世界という哲学に収斂しつつ、表題作は良質なSF映画のように洗練された演出、アクションで◎!
2017/11/14
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