自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実 (ブルーバックス 2014)
自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実 (ブルーバックス 2014) / 感想・レビュー
やいっち
「現代は自閉症が増えている!? 天才や起業家には自閉症的傾向が多い!?20世紀初頭に研究が始まった自閉症。さまざまな誤解と偏見を経て脳科学的に理解されるまでをたどりながら、「自閉症スペクトラム」と呼ばれる人たちの真の姿に迫る。「脳多様性」という新たな視点から捉え直す科学ノンフィクション」というもの。
2023/01/16
ばんだねいっぺい
「自閉症」が世に認められるまでの紆余曲折。政治家もそうだが、科学者の誤りも罪が重い。「レインマン」のように多様性を認めていく文化は、素晴らしいと再確認した。
2022/03/23
Tui
カナーとアスペルガーという、まったく主張を異にする学者の存在が、この分野の研究に進化と混乱の両方を招いてきた。アスペルガーに功績あれど、やはり罪の大きさは計り知れない(アスペという蔑称を出すまでもなく、彼の名は発達障害の代名詞であり続けている)。今も誤解は消えず、一部では誤った教育法が採用されてさえいる。まだ発展途上の分野なのだ。これまでの研究の成果とともに、偏見や誤解と苦しみ戦ってきた本人とその親の(語弊ある言い方になるが)英雄譚としても読める。硬めの内容、静かな文章、なのに読んでいて気持ちが熱くなる。
2017/07/18
eirianda
参考までに読んでみようと思い手に入れたが、あまりの面白さに一気読み。分厚い本だけど、すごく読み応えがあった。オリバーサックスが好きなので、内容が入りやすかった。偏見に満ちた時代を経て、今は理解がある。とはいえ、生きにくい。超内弁慶で一人で絵ばかり描いていた、自分の幼い頃を思い出すと、(小三で急に社交的になった) 自分もその一人だったのかもしれない。ただし、知能は至って普通…。高機能の人は、本物の天才、と思っている。
2018/03/09
tom
アスペルガー症候群、発達障害、自閉症、こういったラベルを貼られることになってしまった人たちについて、症例の発見と現在までの理解の通史。最初にこの症例を記述したのはハンス・アスペルガー、そして、彼を無視し、自分の発見だと語った米国人カナー。その後に現れた、自分の子どもを生き延びさせたいと思う親たちとその援助者、寄生虫のようにして食らいつく連中などなど。人間の善意と悪意の物語のようにも、読むことができる。アスペは強弱人それぞれ、どの人の中にもある。毎日毎日、一人遊びをしている私だって、緩いアスペ。良書です。
2017/07/09
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