大江健三郎全小説 第3巻 (大江健三郎 全小説)
大江健三郎全小説 第3巻 (大江健三郎 全小説) / 感想・レビュー
おたま
収録作品中、長編『叫び声』、短編『セヴンティーン』『政治少年死す』『スパルタ教育』を読んだ。この頃の大江健三郎は現実に起こった事件から題材をとった作品も多く、『叫び声』では1958年に起きた小松川事件が、『政治少年死す』では1960年の浅沼社会党党首の刺殺事件が作品の中核に取り込まれている。ただ、単に事件をそのままの形で作品中に取り込むのではなく、小説の主人公の実存的な状況を照らし出す一つの方法として、想像的に取り入れられている。あくまでも大江の書きたかったのは、その時代の青年の置かれた状況だと思う。
2023/04/10
yamahiko
10年後に起こる三島由紀夫決起の動機に思いを馳せながら第一部を読みました。浅沼事件とリンクする第二部は、厳粛な綱渡りに凝縮されるの感あり、といったところでしょうか。それにしても、私にとって70年代までの氏の作品群の持つ緊張感は、雲上の峻嶮であり、宝であり続けていると再確認しました。
2019/02/09
koke
「セヴンティーン」「政治少年死す」のみ読了。自分の心身が最も不安定だった時期に連れ戻されるようで疲れた。「おれは十七歳だ、みじめな悲しいセヴンティーンだ。誕生日おめでとう、誕生日おめでとう、股座をいじりまわしてあれをやりたまえ」。戦後の日本人の中で政治と性がどんな風に結びついているか、それは戦中派の場合とどう違うのか、追体験によって生々しく理解させられた。
2023/07/25
riko
ユーモアある短編good!
2024/01/17
メルキド出版
「犬の世界」
2019/02/07
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