大江健三郎全小説 第15巻 (大江健三郎 全小説)
大江健三郎全小説 第15巻 (大江健三郎 全小説) / 感想・レビュー
OHNO Hiroshi
「さようなら、私の本よ!」ミシマ事件、三島由紀夫、ドストエフスキー「悪霊」「白痴」そして「セヴンティーン」発表の後、三島由紀夫からもらった手紙。 「晩年様式集」In Late Style 結果、読めずに、流して・・・終了。
2019/07/22
ブルーツ・リー
晩年様式集。 今までもっぱら小説に置いて「書かれる」のみの存在だった大江健三郎の家族たちが、ひとつの暴力としての、作家の特権的地位に対し反旗を翻し、作家に対して、残された時間が少ない事。その短い時間で、生涯に渡った抑圧関係について、反転を迫られる。 この行為について、権威が、何者かを抑圧し続けているのだ。とする大江の思想として論理的に一貫させるように、大江はそれを受け入れる。 抑圧者の生き方が決して変えられないものとしても、人類としての生き方の在り方は変えられるとの信念を、どこまでも貫いた作家だろう。
2024/01/02
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