不思議な少年(2) (講談社漫画文庫 や 6-31)
不思議な少年(2) (講談社漫画文庫 や 6-31) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
響く連作集を文庫版で再読。2巻収録では、南極探検隊とレディ・エッシャーのエピソードが忘れられない(勿論、他の物語も素敵だ)。最期まで生き残った隊長と密航者、疑心暗鬼を乗り越えたかに見えた瞬間。少年にも見抜けなかった人間の心の有り様。悲劇なのに救われない物語なのに・・・人智を越えた存在にさえ読み切れない人間の深淵に想いを馳せる。また、斜陽貴族に生まれたプリシラの毅然とした生涯に寄り添う執事。プリシラのハチャメチャな人生を「見届ける」執事、彼女の決して挫けない輝きに揺さぶられる。銀行家も良い奴だったなぁ。
2020/11/17
chiyo
★4.0 人間は愚かで間違いばかりを繰り返すけれど、それでも愛おしくてかけがえのない存在、そんな辛辣さと優しさが本書から感じられる。そして、名前や年齢はおろか、存在さえも謎に包まれた不思議な少年。中でも印象的だったのは「リチャード・ウィルソン卿とグラハム・ベッカー」で、さすがの少年も人間の心を見誤った感あり。ペンギンに囲まれたラストの彼は、とても悲しそうに見えた。また、強制的な少女の結婚には反対だけれど、「タマラとドミトリ」も印象深い。結局のところ、人間は無いものねだりをするばかりなのだな、と痛感する。
2020/09/05
まりこ
ソクラテスが良かった。『話し合わないと意味がないのだ 見ただけでは分からないのです』タマラとドミトリのラストが良かった。諺の『人は暗闇の中では光を求め 光の中では暗闇をさがし回る』
2017/11/02
NOJI
人間てしょうもないけどそれが人間
2020/08/15
たまりんどすい
漫画。永遠の生を持つ不思議な少年を通して、関わった人間たちの本質のようなものが見えてくる。「二人のレディ・エッシャー」では少年が歳を取った姿を初めて見せた。「末次家の三人」がよかった。
2017/10/29
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