空の境界 the Garden of sinners 20周年記念版 通常版(上)
空の境界 the Garden of sinners 20周年記念版 通常版(上) / 感想・レビュー
東雲
20周年記念版、初版限定版を。何度も読み返す本はそう多くないが、この物語は小説・映画を何度再生したことだろう。歌詞やコーラスを覚えるほど聴き込んだ音楽。聴くだけで鮮やかに思い出す物語。折り畳まれたメッセージレターの、たった2ページにすら印象的な言葉がある。 「20年は長い。人生は短い。私たちは変わろうとも、この本はずっと、あの頃のままの熱を持っている」 細部は忘れてしまっても、私は物語を覚えている。再読だと言うのに夢中になって電車に忘れた鞄の柄でさえ。ページを開けば、あの頃確かに存在した熱が、そこにある。
2018/06/21
ほたる
もう一度ということで分からないなりの楽しみ方があると気づき、夢中になって読んでいた。不安定な少女である両儀式自身を解体していく物語でもあるのかなと。黒桐幹也みたいな何事にも動じなさそうなキャラってこの手の物語に必要不可欠だなと思う。彼がいないと式に我々は近づけないのではないかと。緻密に練られた世界観にただ魅了されるばかり。
2023/02/18
花乃雪音
ウェブへの発表から20周年を記念して初のハードカバーで刊行された一冊。「伽藍の洞」で蒼崎橙子は両儀式の前で一度も名乗っていなかった。映画を何度も見ていたので出会った時に名乗っているシーンを記憶していたため小説を何度も読んでいたが自然と頭の中で融合していたのだろう、そのことに驚いてしまった。
2018/12/22
miicha
上下巻ですごい厚さでしたがスルスル読めました。楽しかったです。アニメ版の完成度の高さも素晴らしかったです。アニメから入りましたが謎に思っていた部分(アニメで割愛されていた式さんの内面等)を知ることができて良かったです。
2018/05/06
hatori
アニメは鑑賞済みですが、原作は未読だったので手に取ってみました。登場人物たちの心情が小説ならではの濃やかさで綴られているのが嬉しいです。何を考えているかわかりにくい式にも気持ちが寄り添いやすくなります。アニメ初見で戸惑った物語の時系列の複雑さは原作通りだったのですね。魔術関連に関しての細々した解説(薀蓄)は耳で聴くよりも文字として読む方が頭に入ってきやすいような気もしますが、情報が膨大過ぎて結局処理しきれていない自分の頭が残念(笑)。著者が関わっている様々な作品世界の根幹になっていることなので当然かな。
2019/04/07
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