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対岸の家事

対岸の家事

対岸の家事

作家
朱野帰子
出版社
講談社
発売日
2018-08-30
ISBN
9784065122006
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対岸の家事 / 感想・レビュー

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starbro

以前から気になっていた朱野 帰子、初読です。かなりリアルな家事、育児、仕事の連作短編集でした。家事、育児、仕事で悩んでいる人は男女問わず増えていると思いますが、本書は一服のビタミン剤です。著者の他の作品も読んでみたいと思います。

2018/10/28

ウッディ

母亡き後、父にすべての家事を任され、疲れ果てて家出し、今は専業主婦となった詩穂に対し、ワーキングマザーの礼子、育休中のエリート公務員の中谷は、専業主婦は絶滅危惧種とバカにするが、家事、育児と孤独への絶望や悩みを詩穂に救われる。立場が違えば、相手を羨ましくもなり、自己肯定するために蔑んだりするが、家事の大変さをわかりあえる仲間と思えば、助け合うことができる。辛い経験をした詩穂だからこそ、痛みがわかり、手を差し延べることができる。詩穂の前向きな考え方と少し天然なキャラに勇気づけられる物語で、面白かったです。

2018/11/27

いつでも母さん

10年以上前から専業主婦の私。結婚退職し実家で働き子どもが出来ても何とか両立していた。実態は手抜きも甚だしく特に掃除は玩具で足の踏み場もないくらいの時期もあった。夫は家事に無関心。専業主婦になったらあれもしたい、これもしようなんて思ったが思っただけの今(汗)専業主婦は社会と繋がっていないようで嫌だと言ってワーキングマザーの道を行く友もいた。それぞれの置かれた環境の違いがあるもの、そこに必要なのは理解してお互いを認める事だと思う。少子化に歯止めがかからない今、建前ではない改革を!家事は死ぬまで続くのだ。

2018/09/17

tetsubun1000mg

筆者の「わたし定時に帰ります」「〃帰りますハイパー」を読んでいたのでサバサバした作風と思っていたが、想像と全然違って大変重いテーマでした。 今どきの親や周りに相談者がいない育児、家事の問題を中心に登場人物、ストーリーが組まれている。 以前読んだ二作に比べて登場人物の数が多く、それぞれの状況も違っているのでストーリーが複雑になっているようだ。 今は正社員を続けながら育児、家事をこなしている女性が多いんだろう。 また考え方が古い人が多くて仕事をする女性、専業主婦のどちらにもが風あたりが強いようだ。

2021/01/12

シナモン

結婚するかしないか、子供を産むか産まないか、会社で働き続けるか辞めるか、うちはうち、よそはよそと思っても心がざわざわする、何を選んでも正しいとは思えない気持ち。遠い昔になったけどわかるなぁと懐かしく思った。いつの間にか専業主婦は絶滅危惧種に。誰も彼もピリピリしてて。なんて子育てしづらい国なんだろう。この本を読んだ若い人はどう思うだろう。「子供なんか産んですみません。でも、これからの社会は誰の世話もしないでいい人たちを中心に回っていくのですか」ある登場人物の心の声が胸に響いた。

2020/10/13

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