ガール・イン・ザ・ダーク 少女のためのゴシック文学館
ガール・イン・ザ・ダーク 少女のためのゴシック文学館 / 感想・レビュー
buchipanda3
高原氏編纂のゴシック文学アンソロジー。テーマは少女、ガール、girl。と言ってもただ煌びやかなものではなく、少女という存在が文学でどう描かれたかを様々な作品から示していると感じた。著者は川端康成、左川ちか、皆川博子、小川洋子、シルヴィア・プラスなど古今東西。各篇は短いが通して読むとまるで連作のようであり、現実的な感覚を失念したかの心持ちに。不穏であり、時に容赦なく、時に翻弄、そして自由と不自由の狭間で藻掻くかのよう。二階堂さんが少女と女の子は違うと語り、大人が描く文学の中の少女という表現にどこか合点した。
2022/08/03
keroppi
少女のゴシック文学アンソロジー。小説のみならず、短歌、俳句まで。残酷、耽美、可憐。少女の不安定で未完成な心と容姿は、ゴシックに妙に合う。楳図かずおの少女漫画や会田誠の絵にもイメージが飛ぶ。
2019/04/02
かりさ
残酷さと鋭利さを持つ少女とゴシックの耽美な世界…作品全て心惹かれ、標本箱に仕舞っておきたいくらい好きで溢れます。そして愛する二階堂奥歯さん『八本脚の蝶』が此処に存在する尊さに震えます。《少女たちが少女であることの怒りと誇りを、より野蛮な形で語るとき、ゴシックの言葉は始まる。》高原英理さんの「はじめに」からもう素敵で何度も読む。ことさら少女とその中に棲む闇から生まれる、耽美な物語に心惹かれました。常に不穏の中でざわめいていたかつての自分を呼び寄せながら。
2019/12/08
鷺@みんさー
詩や短歌、日記まである「少女のためのゴシック」追求アンソロジー。『ひなちゃん』『トゲのある花束』『青ネクタイ』『夜の姉妹団』あたりが好み。まさにファイナルを飾るにふさわしい、藤野可織『ファイナルガール』は好みド直球で胸が疼いた。
2020/09/16
ひろ
少女ではないですが、ゴシックの言葉に惹かれて。編者が選び抜いた古今東西の作品たち。冒頭を飾るモーリーン・F・マクヒューの『獣』から、怪しく耽美な世界に引き込まれる。小川洋子、皆川博子、江戸川乱歩、川端康成、夢野久作など、個人的に外れようのないラインナップ。他にも、最果タヒ、二階堂奥歯、松田青子などなど。初めてその作品に触れた作家さんが大半だったが、どれも総じて面白かった。
2019/09/02
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