血の弔旗 (講談社文庫 ふ 38-16)
血の弔旗 (講談社文庫 ふ 38-16) / 感想・レビュー
ふじさん
金融会社社長の運転手の根津は、戦時中に疎開していた仲間3人と共謀し、根津の周到な計画の末に社長が政界へ流す裏金11億円を強奪する。事件への関与が疑われた根津は、アリバイ工作が功を奏し、逮捕されることもなく実業家として成功を収める。だが、時効直前に信頼していた部下の裏切りや警察の執念の捜査により、暴挙の真相が明らかになり、すべてを失うことになる。執念深い追手をかわし続けた謙治たちが、危機的な状況に追い込まれていく終盤は読み応え十分。戦後ノワールの巨編と呼ぶにふさわしい作品。ただ長い作品で読むのには苦労した。
2024/05/10
T. Mu
戦前から戦後にかけて、時代と共に描かれた作品でした。小説なので、えっ?そんなことが?という部分はありますが、ホントに面白かった❗️最後は切ないですね…💦4.5
2023/11/13
はまちゃん
藤田宜永氏の倒叙ミステリ。金貸しから身を立て財を成した男 原島勇平のお抱え運転手 根津謙治が戦時中の疎開先で知り合った男たちと組んで11億円を強奪するところから話は始まる。犯罪に手を染め、強奪に成功し、警察やヤクザからの追及から逃れ、事業に成功し、家庭を持ちながらも、常に過去の犯罪の影に怯えながら人生を送っていかざるを得ない。どんな魅力的な人間であっても、悪事に手を染めたら、その報いを受ける、悪因悪果であろう。しかし、700ページを超える大作ながら、サクサク読ませるリーダビリティはさすが藤田宜永氏だなぁ。
2019/07/30
コウ
想定された内容だが、時代感と筆力で最後まで読ます小説でした。ただ、作者が書きたかったこと、言いたかったことは響いてこなかった。
2021/01/11
ラブミーテンダー
ハードボイルドピカレスク。ちょっと冗長と感じる部分もあったけど、よかった。
2024/01/12
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