我が名は秀秋 (講談社文庫 や 75-2)
我が名は秀秋 (講談社文庫 や 75-2) / 感想・レビュー
金吾
すべてが見えている秀秋という話です。随分昔に岡山で似たような話を聞いたことを思い出しました。関ケ原までが面白かったです。
2024/09/06
河内 タッキー
関ヶ原を小早川秀秋の視点で描いた話。裏切り者のレッテルを貼られている人物だが、それは石田三成の側から見た話で、戦に善悪はなく、それぞれが大義をもって戦っている。だからそれぞれの立場を公平に見てみたい。やや、天才的に描かれ過ぎているように思わなくはないが、それだけにエンターテイメントとして楽しめた。また、朝鮮出兵の場面を描く小説はないが、この作品では前半のクライマックスとしてたっぷりと描かれている。
2020/05/08
鐵太郎
関ヶ原合戦の決定的瞬間に歴史を変える裏切りをした、ということで(悪)名を残し、しかも若くして死んだ愚か者としてクソミソな評価をされている小早川秀秋について、新たな解釈を行った歴史小説。史実から考えてちょっと無理がないかという展開はありますが、読んでいて爽快です。これほどまでに格好いい金吾中納言ははじめて読みましたよ。最後に、なぜ彼が歴史の中の嫌われた愚か者とされたのか、についての解釈もなかなかです。面白かった。
2018/11/03
jin
東軍勝利の立役者であるが、裏切り者の悪評が根強い小早川秀秋が主人公の作品。 大河ドラマなどで度々弱気で優柔不断な性格といった描かれ方をされているが、本書はそういった秀秋のイメージを覆しており、斬新な切り口と解釈による秀秋の物語は新鮮であり大変楽しめました。個人的には関ヶ原後の諸将とのやり取りが読んでてハラハラしてお勧め。もちろん小説なので史実とは違いますが、歴史とは勝者によって紡がれるものだということを再認識させられました。
2021/10/11
ふじ
小早川秀秋と言えば、『花の慶次』の原哲夫さんの漫画『影武者徳川家康』の弱虫で優柔不断、関ヶ原の合戦で西軍を裏切った悪いイメージしか無かった。 ただこの秀秋は、自分の出生を疎ましく思いながら、小早川隆景の養子となってからは秀吉の朝鮮出兵でも総大将を務め上げ、立派な武士だった。イメージとまったく正反対の秀秋。秀秋を導いてきた養父、小早川隆景。彼がもっと長生きしていたら秀秋はもっと違う評価をされていたのかも。合戦はハラハラで、とても面白い作品でした。歴史物は見る側を変えると見え方も正反対に感じるので面白い。
2019/02/03
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