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コンテクスト・オブ・ザ・デッド (講談社文庫 は 104-2)

コンテクスト・オブ・ザ・デッド (講談社文庫 は 104-2)

コンテクスト・オブ・ザ・デッド (講談社文庫 は 104-2)

作家
羽田圭介
出版社
講談社
発売日
2018-11-15
ISBN
9784065134351
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ジャンル

コンテクスト・オブ・ザ・デッド (講談社文庫 は 104-2) / 感想・レビュー

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おかむー

ゾンビというエンタメを纏った文学なのか、文学業界と忖度社会を風刺したゾンビ小説なのか、訴えてくるものは理解できるが答えを出しづらいという意味ではモヤモヤが残る。『よくできました』。ゾンビが実在し始めた社会で文学業界に携わるひとびとの群像劇という関連性のわかりづらい前半は先が読めずページが進みづらいが、タイトルが意味を持つ後半では楽しめる。とはいえ今現在の社会で氾濫する情報に流されず“あたりまえ”を無視して生きられる人間がどれほどいることか。自己啓発本に倣うかや独自の生き方を検索するのが関の山ではないのか。

2018/12/09

かぷち

シュール、特に前半はこの一言に尽きる。編集者、極貧作家、小説家志望の青年等、何かしら出版業界に関係のある人々の視点から俯瞰される、ゾンビ蔓延るディストピア。ではなく、ゾンビの様に毎月無限に湧き出る新刊本、新人作家の多さを揶揄しているのか。かなり皮肉のきいた内容。著者の抱える不満が垣間見えて、いたたまれない気持ちになるが、作中で指摘されているような傾向のある人(迎合的で没個性)はムッとするかも。私自身も痛い所つくなぁと思う箇所があった。全体としてはやや冗長に感じてしまったが、言葉の選び方とかは好きです。

2023/08/14

TSUBASA

渋谷のど真ん中に現れた若者のゾンビから始まるパンデミック。売れなくなった作家、自分勝手な区民を相手にする役所の職員、我を通していじめを受けている女子高生たちが、ゾンビたちから逃れようとする。ゾンビ小説の体をした風刺小説。言ってしまえばゾンビは文脈に支配された人々。声のでかい人に流されればゾンビになる。仲間はずれを恐れればゾンビになる。思考停止した人は皆ゾンビ。事実今の社会もゾンビが蔓延しているのかもしれない。でも実際のところの自分の意思とかオリジナリティって?あなたは、私は、ちゃんと生きているのだろうか?

2018/12/04

たぬ

☆4.5 私の中でどうにもゾンビってコミック要員なのよね。深刻なシーンでもゾンビってだけでお祭り感がぬぐえないというか。「スリラー」のPVくらいでしかゾンビに触れてないせいかもしれないけど。んでゾンビ。そして文脈。この2つがどう絡むのか、543頁をどうまとめるのか期待しつつ読んだ。結果はこの点数です。今更ながら羽田圭介ってすごく好きな作家だ。言葉のチョイスや間合いが肌に合ってる。

2022/01/06

活字スキー

羽田圭介さん初読み。何にでも『~オブ・ザ・デッド』つけりゃいいってものではないが、このタイトルは良い。しかし帯にある「ゾンビ・エンタテインメント」という惹句はいただけない。本作はいわゆる「ゾンビもの」のお約束がふんだんに盛り込まれてはいるものの、グダグダとっちらかった冗長な展開はエンタメとしては正直かなり厳しい。それでも一応パンデミックものではあるし、「ゾンビ化」の解釈(対象)には捻りがきいてる。筒井御大、神林御大、そしてヤスミンあたりを好むなら楽しめるだろう……かゆ……うま

2020/03/30

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