竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末 下 帰郷奔走編 (講談社文庫 う 57-31)
竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末 下 帰郷奔走編 (講談社文庫 う 57-31) / 感想・レビュー
はかり
内容はよく理解できるし、登場人物は知っている偉人が多い。しかし、主人公の玉虫左太夫はまったく知らなかったし、奥羽列藩同盟というのも知らなかった。幕末、維新の史実をよく知らないというのは問題だろう。ほんの百年ほど前の話なのに。いずれにしても変人・奇人なのは西郷隆盛だろう。
2021/09/02
mam’selle
この作家さんにしては珍しく実在の人物を主人公に据えた作品。チャンバラや忍者の暗躍は無いが読み応えがあった。福井藩の松平春嶽の立ち位置や何故坂本龍馬が暗殺されたかなど経緯が意外とわかりやすくて、初めて理解できたことも多かった。
2019/06/02
suma2021
幕末の仙台藩に現れた俊才、玉虫左太夫の歴史小説です。下級武士でありながら、先見性や能力があることで、多くの人に引き上げられる。しかしながら奥羽越列藩同盟は理念はあっても、寄せ集め集団では大きな歴史を揺るがす戦いには勝てないところがもどかしい。優秀だが歴史に埋もれるような人も小説だからこそ心の響くように描かれるのだろう。
2023/03/11
てぃと
激動の幕末時代に身分制度やお偉方の保身のために如何に有能な人材が埋もれていったのか、計り知れないものを感じました。そして、玉虫佐太夫の47年間の人生の終わり方が、何とも切なく、やり切れません。アメリカの制度を目の当たりにした彼が生きていれば、きっと今以上に名を遺していただろうと信じたいです。
2022/06/02
kamakatsu
下巻。奥羽越列藩同盟の結び付きが脆いものであったことは知っていたが、どんな状況であっても、何名か集まれば必ず反発するものが現れる。結局西郷隆盛も新政府に見限られる。実働部隊が報われないのは、いつの時代も変わらない。
2019/11/25
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