線は、僕を描く
線は、僕を描く / 感想・レビュー
starbro
新型コロナウィルス対策購入シリーズ第63弾、2020年本屋大賞3位(7/10)ということで読みました。現役の水墨画家ということもあり、美しい水墨画が目に浮かぶようでした。 「僕は、線を描く」ではなく「線は、僕を描く 」の意味合いが解りました。本屋大賞らしい雰囲気の作品ですが、大賞までのインパクトはなかったと考えます。著者が今後も作家活動を続けるのであれば、得意分野以外のテーマの作品も読んでみたいと思います。 https://senboku.kodansha.co.jp/
2020/06/02
鉄之助
「線」が主語のタイトルが良い。水墨画家の著者のデビュー作だっただけに、水墨画の魅力、奥深さが伝わってくる。水にぼかされた墨が、紙に定着する瞬間、瞬間、「絵は画面の上で変わっていった」。水墨画は、油絵などとは違って書き直しができない絵画だという。水墨画家には瞬発力が必要で、一発勝負のアスリートにも例えられていた。両親を突然の交通事故で亡くした主人公が、水墨画とその師匠に接するうちに、違う自分に目覚めていく。喪失から再生の感動作。また「線とは生き方そのもの」だとも言う。余韻が残る1冊だった。
2024/06/08
kou
読み出して、すぐに水墨画の魅力に引き込まれた。何となく漫画とかで、武術家が必殺話を放つときに背景に描かれているようなイメージしかなかったが・・・それが、こんな高尚で奧が深い芸術だったとは!!そして、心に染み込むような言葉も多く素敵だった。目次のページに書かれている水墨画は作者の描いた物みたいだが、実体験も入っているのだろうか?作者の別の水墨画をテーマにした作品も、いつか読んでみたい。
2019/08/24
ウッディ
両親をなくし、流されるように大学生になった霜介は、バイト先で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会い、弟子入りすることになる。塗り直しができない繊細な線、モノトーンでありながら、鮮やかな色を感じさせる水墨画にひかれていく。自分の知らない所に、こんな豊かな世界があったと気づかせてくれたこの本に感謝です。喪失感の中で自分をなくし、他人との向き合い方を失っていた主人公が、水墨画と向き合うことにより自分を取り戻していく、「僕が線を描く」ではなく、「線は、僕を描く」このタイトルの深い意味が伝わってくるような温かい物語でした。
2020/06/03
うっちー
作者が水墨画家で納得。本屋大賞向きの作品です
2019/12/07
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