完全無罪 (講談社文庫 た 128-2)
完全無罪 (講談社文庫 た 128-2) / 感想・レビュー
しんたろー
大門さん4冊目。若い弁護士・千紗が21年前の誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に臨むミステリ…同事件で自身も誘拐されたが運良く逃げ出せた千紗がトラウマに悩まされながら執念で真相を追う展開は、千紗と一緒に疑心暗鬼になりながら読む手が止まらなかった。犯人とされた・平山、担当した刑事・有森と今井、千紗の上司弁護士・真山、仲間の弁護士・熊など、人物設定も巧く作られていて人間ドラマとしても面白い。『雪冤』で冤罪の恐ろしさを見事に描いた筆者が、似たテーマでありながら、趣を変えた哀しくも熱い力作に仕上げた筆力に拍手を送りたい。
2019/05/30
いつでも母さん
『無罪は無実ではない。慟哭の「冤罪」ミステリー』この帯が堪らない!大門作家、巧し!レビューなどいらない。とにかく面白かった。一気読み必至です。相変わらず犯人探しはハズレの私でしたが、幼い子を持つ親なら気になる事件でしょう。加害者家族の悲哀も有りました。勿論、被害者家族の終りなど無い苦しみ憤りには言葉もなく、被害者の抱えるトラウマは遣る瀬無い思いでした。冤罪を取り巻くマスコミや世間の怖ろしさも有りました。誰もが何かの『怪物』に成り得るのだと思うとぞっとしました。そこの貴方も是非!お薦めです。
2019/02/22
茜
淡々と読み進めてしまいました。あまり私には合わなかった気がします。他の方は面白いとかどんでん返しがとか書いてあったけれど私はそれに気が付かず。。。寝る前に読んでいたのが悪かったかもしれません。勿体ないことをしてしまいました。
2020/02/06
あきら
清水潔氏の「殺人犯はそこにいる」を読んだ後に読んだ本。 とても近しい設定、ストーリーだったけど、本書の救いはフィクションであること。 故にすらすらと一気に読めました。 設定も登場人物も複雑でないため、没頭できる物語だと思います。
2021/02/20
ごみごみ
少女誘拐殺人犯の再審請求。正義という名の罪。決めつけによって歪んだ真実。しかし冤罪を証明しただけでは終わらない。再審で無罪になっても真犯人が出てこない限り、その人はずっと危険人物のまま。そうか「無実」と「無罪」は違うんだ。怒りよりも哀しい真実が明らかになっていく。後半は一気読み。
2019/05/06
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