100万分の1回のねこ (講談社文庫 え 31-6)
100万分の1回のねこ (講談社文庫 え 31-6) / 感想・レビュー
やすらぎ
有名の絵本から生まれた数々の物語。佐野洋子さんが伝えた思いを各々の形で受け取っている。答えはひとつではない。何度も生きることが幸福とは限らない。一度きりの人生は今しかない。生きていれば愛も嘆きもある。特別な人生なんてなく全て特別。人間は自由な猫に憧れるけど、猫もそう望んでいるのかも。どちらも不思議な存在で、どちらの生も大変。後悔は必ず訪れるけど、もう一度やり直したい、そう思わずに最期を迎えられたらいい。記憶を残したまま生死を繰り返すなんてとても怖くてできないから。しあわせとふしあわせ、そのまんなかがいい。
2024/03/17
小梅
猫本2冊目。佐野洋子さんの「100万回生きたねこ」に捧げるトリビュート短編集。町田康の「100万円もらった男」が良かったなぁ〜
2019/02/15
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
どの作家さんもこの絵本が大好きなんだな、と思わずにはいられない。それぞれその作家さんらしさ溢れる「100万回生きたねこ」に寄せる思い。 江國香織さん、井上荒野さん、山田詠美さん、綿矢りささんの作品がこの順で好き。町田さんの作品はあまりにも町田さん過ぎて異色を放ってて笑えます。 好きな作品に好きな作家さん達がこぞって短編を寄せてる!と期待し過ぎた感はありますが、ファンとしては読んでよかった。やっぱり有名な作品に寄せる作品を書くのは、有名な作家さんといえど緊張するのでしょう。
2019/05/18
佐々陽太朗(K.Tsubota)
本書は佐野洋子『100万回生きたねこ』への、13人の作家によるトリビュート短篇集です。私のお気に入りは江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」、井上荒野「ある古本屋の妻の話」、角田光代「おかあさんのところにやってきた猫」といったところ。それぞれ”人を愛することとはなにか”についてひとつの答えに到達していると思えるからである。久しぶりに『100万回生きたねこ』の頁を開いてみたくなった。
2019/01/28
エドワード
「100万回生きたねこ」を最初に見たのは絵本ではなく、NHKの「母と子のテレビ絵本」だった。最も印象に残るのは、やはりポツンとつぶやく「飼い主なんか、きらいでした。」のセリフ!怖い絵本は珍しくないが、これほど強烈で逆説的なセリフは無い。子供たちも、ビックリしたろうなあ。さて、この有名な絵本にトリビュートする豪華執筆陣。綿矢りささんが良かった。広瀬弦さんのは、原作そのものだ。川上さん、江國さん、角田さんなど、それぞれの文体になっていて面白い。ねこ、感情的で、媚びない、可愛いヤツ。絵本に欠かせないヤツだ。
2019/02/07
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