浜の甚兵衛 (講談社文庫 く 54-3)
浜の甚兵衛 (講談社文庫 く 54-3) / 感想・レビュー
ぜんこう
仙河海サーガの中で一番古い時代、明治・大正・昭和のころの菅原甚兵衛を主人公とした話。「鮪立の海」で焼津で船の斡旋をしている甚兵衛が少し出てきたけど、その本人の仙河海時代の話でした。妾の子として生まれ、沖買船からあるきっかけでラッコ・オットセイ猟に変わってから大儲けして・・・でも、仙河海は津波や大火で何度も町が壊滅。元となっている気仙沼もそうだったみたい😢 でもこんな金持ちになってみたいけど僕には無理😅
2024/05/12
バボイヨシヤ
『邂逅の森』『相剋の森』『氷結の森』の森三部作はじめ、男臭い世界観が好きで何冊か読んでいる。この世で一番憧れる仕事は“漁師”だし、一番カッコいい肩書きは“海の男”だと思っている。「男には勝負すべき時がある!」というベタベタな帯コピーが突き刺さる楽しい一冊だった。 時代設定が前近代的価値観に覆われた物語ではあったが、きっちり熊谷達也的エンタメにビシッと振りきっているので気持ちよく読めた。気仙沼をモデルとした漁港の街に生きる男の一代記。「腹を据えるとはどういうことか?」という人生の命題に向き合った快作。
2019/05/01
pio
熊谷達也さんの作品は久しぶりで楽しく読めました。中心のテーマがちょっとはっきりしないのが残念な気がしましたが、甚兵衛の痛快で波瀾万丈な半生の物語と思えば良いのだ、と結論づけました。
2023/10/18
hasami1025
時代は明治ですかね。ラッコ・オットセイ漁というカテゴリーがあったのを知らなかったので勉強になったけど、鯨漁や熊狩りと違って、毛皮だけ取って廃棄するっていうのが、、、、、日本でもそういう狩猟を生業にしていた人達がいたのに驚いた。野心家で頭のいい、男気溢れる主人公だったけど、私は好きになれない。女性や家族に対する誠実さが全く足りない。
2020/05/02
たぬ
☆4 明治後半からの50年、三陸の海の男の物語。大地震からの大津波を乗り越え、密漁、金の工面、各地で女郎を身請け等々。若い頃は荒くれていた甚兵衛が年齢を重ねるにつれ統率力や決断力を身につけていく様がよく描かれてる。妾の実娘との間に子を作ったのにはかなり引いたけど、ラストシーンの札束ばらまきは私もなんだかスカッとした。欲を言えば孫六のその後をもう少し詳しく! この「仙河海サーガ」は他のも読みたい。
2020/04/03
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