日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 (講談社現代新書 2528)
日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 (講談社現代新書 2528) / 感想・レビュー
遥かなる想い
2020年新書大賞第5位。 学歴重視・勤続年数重視の日本社会の 特異性、慣習の束 を描いた作品である。 「正社員になり定年まで勤め上げる」という 生き方 …日本に現存する 暗黙のルールを 歴史的に掘り起こす …「カイシャ」と「ムラ」に帰属する日本の 特徴を わかりやすく描いている、そんな本だった。
2020/06/03
KAZOO
新書で書かれているのですが内容的には選書やハードカバーであると感じました。それと題名が日本社会とはいうものの分野的には雇用関連の話が中心を占めています。かなり過去の文献を読みこんでおられてそれなりに参考となるのですが分析にとどまっていて今後の方向性や政策に参考となるものをもう少し示してほしい気がしました。
2019/11/23
佐島楓
労働史を概観することでこの国の雇用のしくみを読み解くもの。先行研究を多く参照し、データを使いながらシャープな論理を展開している。新書で約600ページとかなりの分量なので本当に興味のある方しか手に取れないかと思うが、欧米との雇用形態の比較もあるため、しっかりとした知見を身につけたい方におすすめしたい。
2019/07/20
trazom
日本の雇用制度を、その歴史的背景に鋭く踏み込んで分析した力作である――小熊先生の本は、いつも粘着力の強い「力作」だけれど…。欧米社会が「職務の平等」を目指したのに対し、日本の労働者は「社員の平等」を求める。日本独自の雇用環境を成立させたのが、政府や経営者以上に、労働者自身であったことが面白い。経営の恣意を排し、客観的なルール(勤続年数、学歴など)に基づく処遇で「平等」を求める労働者と、何があっても企業横断的なルールを避けたい経営者たちの妥協の産物が「日本社会のしくみ」だったのかもしれない。
2019/09/27
ニッポニア
斜め読み。以下メモ。典型的な人生だと思っていた数字が、どう計算してもそれ以上にはならないため、昭和世代はショックを受けている、常識が変わり始めている。保育園落ちた日本死ね、発言の一方、地方では園児が少ない、温度差があった。日本の社員は職種にアイデンティティを持っていない。日本の役所の大部屋の執務室、フランスでは個室、知的能力や人物の情報をスクリーニングするため。社会保障制度はカイシャ、ムラを日本社会の基本的単位とみなす観光を制度化した。人事担当者は、どんな職務に配置されても適応する船内能力を期待していた。
2024/06/02
感想・レビューをもっと見る