まだすべてを忘れたわけではない (講談社文庫 う 68-1)
まだすべてを忘れたわけではない (講談社文庫 う 68-1) / 感想・レビュー
ケイ
レイプを受けた少女の気持ちは、癒されてはいないだろう。ストーリーの展開に趣向を凝らしたのだろうが、上手くいっていると思えず。。。
2019/08/22
のぶ
ユニークな設定で面白いサイコロジカルなサスペンスだった。物語はコネチカット郊外の小さな町で、少女ジェニーがレイプされる事件から始まる。トラウマに悩むことを恐れた母親は事件直後に記憶消去の治療を受けさせる事にする。これは同時に事件の真相も消え去ってしまうことを意味していた。この治療は現実には完成には至っていないようなのだが、将来現実のものとなる可能性もあるらしい。手掛かりを失った状態で、町の精神科医が真相を探っていく。話自体はシンプルだが、今迄に読んだことのない展開に、興味をそそられた一冊だった。
2019/08/12
あさうみ
ひとの深層心理を描くサイコロジックミステリー。ひとは感情を持っている分、思い通りにはいかないと思いきや…巧みな算段。絡み合う思惑をほぐすと思わぬ事件の落着と真相を迎える。家族の絆の為だけではない復讐譚。この作者の他作品も読みたいと思う。
2019/06/19
スゲ子
「記憶」を巡るミステリー。高級住宅地でおきた残忍なレイプ事件。被害者の少女ジェニーは直後に「記憶消去治療」を受けるのだが…というお話。最初は「その『治療』をしてあげて!早く!」と思ったけど(ジェニーの母親のように)それが新たな地獄の始まりになるとは…ひとつは犯人の手がかりも失ってしまうこと。同じ街の住人かもしれないのに。そしてジェニー自身も「恐怖の感情」が紐付けされる「記憶」を失い暴走して精神を危うくしていく…「思い出したい。思い出したい…」と吐露する場面は本当につらい。
2019/10/05
アン
レイプ被害に遭った記憶を削除されたジェニーが、再び記憶を取り戻す話かと思ったら、両親、精神科医、警察の様々な思惑が絡み、犯人探しも進まない。ラストに明かされる真実は、納得できるようなできないような、でも衝撃の事実というほどのインパクトは(私には)なく、そんなことで被害に遭ったジェニーがただただ不憫に思えた。
2019/12/22
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