KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

福袋 (講談社文庫 あ 119-8)

福袋 (講談社文庫 あ 119-8)

福袋 (講談社文庫 あ 119-8)

作家
朝井まかて
出版社
講談社
発売日
2019-07-12
ISBN
9784065163252
amazonで購入する Kindle版を購入する

福袋 (講談社文庫 あ 119-8) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ふじさん

舟橋聖一文学賞受賞作。朝井まかて初の短編集。表題作「福袋」は、並外れた大食漢のために離縁されたお壱与が、大食い大会で活躍する姿を描いた作品。「ぞっこん」は、寄席看板の名手となるまでを愛用する筆の語りで描いた作品。「莫連あやめ」は、古着屋の娘・あやめが、莫連流の生き方を通して自己を掴む姿を描いた作品。「暮れ花火」は、女枕絵師の現在・過去を巧みに描いた作品。「ひってん」は、ある貰い物から二人の人生の分岐を描いた作品等。愛すべき江戸の市井の人々の悲哀交々を朝井まけてのべらんめいの語りで読ませる。やはり面白い。

2023/01/03

のり

8話からなる短編集。表題作は「福袋」でしたが、福の本だった。短編でありながら全て惹き付け読ませる筆力に感服です。かなり得した読後感。江戸の生活感が目に浮かんでくるし、人情・思惑が錯綜する。「莫連あやめ」と怪的な「ぞっこん」が特に好みだった。

2019/12/21

じいじ

いいですねぇ! めっちゃ面白いです。時代小説では宇江佐さんが描く江戸市井モノも大好きですが、ひと味違う趣で粋で艶っぽく堪らなく好きです。8篇どれも名品。表題作【福袋】は、新年初笑いに相応しい腹を抱える逸品。また、湯屋の仕事が大好きな健気な少女を描いた【晴れ湯】も良かった。個人的お気に入りは【暮れ花火】です。主人公女絵師のおようが、夜空に咲く花火に映し出される草むらの男女のまぐわいを描いた枕絵にしたためた女の情念に魅かれます。早くも今年度のベスト3に入れたい一冊です。

2020/01/20

佐島楓

粋を愛し野暮を嫌う江戸の町人、悲喜こもごも。読んだらなぜか、元気が湧いてくる。表題作も痛快だが、若い人には「莫連あやめ」かな。これ以上ないほど痛快。昔の世から女性は強かったのだ。

2019/07/22

ひさか

小説現代2011年1月号:暮れ花火、5月号:莫連あやめ、2013年5月:ぞっこん、2016年1月号:千両役者、2月号:福袋、3月号:ひってん、4月号:晴れ湯、10月号:後の祭、の8つの短編に加筆修正して、2017年6月講談社より刊行。2019年7月講談社文庫化。市井ものだが、ちょっと訳ありで、普通にはお目にかかれないようなところをテーマにしていて、興味がひかれるかどうか難しいところ。福袋は、大食いの女性をうまく描いてあり面白い。晴れ湯は10才のお晴が、けなげで、かわいい。

2020/11/06

感想・レビューをもっと見る