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金庫番の娘

金庫番の娘

金庫番の娘

作家
伊兼源太郎
出版社
講談社
発売日
2019-07-31
ISBN
9784065164884
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金庫番の娘 / 感想・レビュー

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しんたろー

伊兼さん3冊目。大手商社を辞めて政治家秘書になった32歳の花織を主人公に、政治家と検察の現状が判り易く描かれていて興味深く、特に政治に係る金の流れが「なるほどなぁ」と思わせる。「生き方」に関しての著者メッセージが魅力的なキャラの「大人な会話」なので、説教臭く感じずに読める。サブストーリーの検察事務官の話は宮仕えの中年には共感できたし、終盤でメインストーリーに収斂するのも巧い。政治経済の話なので小難しい部分もあるが、花織の成長譚&政財界のサスペンスとして上等なエンタメで、もっと注目されるべき作品だと思う。

2020/04/06

utinopoti27

政治には全くの素人だったヒロインが、資質を見込まれ、与党ベテラン議員の財務秘書(金庫番)に抜擢されたことを機に、徐々に頭角を現していく物語。著者は元ジャーナリストだけあって、権謀策略飛び交う政界の実態を、骨太の政治論を織り込みながら実にリアルに描いている。政治とカネ、権力の私物化、検察の正義等々、現実に今起きていることに思いを巡らせながら読むのも一興だ。まあ、青臭いサクセスストーリーと言ってしまえばそれまでだが、政治の本質に鋭く切り込む伊兼氏の知見が詰まった力作を、大いに堪能させてもらった。

2021/07/29

ゆみねこ

読み応えある1冊でした。一流商社を辞め、政治家の秘書になった藤木花織。与党内の派閥争い・総裁選・裏で政治を操るドン。更に司法取引や検察のこと。花織の成長譚としても面白く読めました。

2019/08/27

はつばあば

帯に「日本の政治は終わっている」に面白いと食いついたのに積読本が多くて読み友さんに先に読んでもらいやっと読了。今、この本は若い人達が読む本であると思う。政治と検察の裏があまりにも国民不在。忖度忖度のマスコミだけでなく裁判所まで灰汁が浸透しているのではないかと心が淋しくなる。こういう本を書かれること自体日本がおかしいくなっているのだと思う。何も知らない、何も考えない、そんな国民が多すぎるから狸や狐の年寄爺達政治家がのさばっている。新聞に閣僚達の資産が掲載されるが全くの噓なのね。政治家が信じられない婆です

2021/04/26

クリママ

政治に関係する人が主人公の小説は初めて。レアメタルを扱う商社を贈賄事件で退職し、父親が秘書をしている政治家のもとで働き始める。政治にお金がかかることはよく説明されているものの、だからと言って裏金を肯定したくないし、崇高な政治理念と裏金がどうもかみ合わない。父の後を継ぎ金庫番となった若いの彼女の活躍は見事だが、まだ序章の感じで、これからが気になる。司法取引や「検察の力が私物化され、誰かの思惑で動くようになる」ことなど、このところのニュースを思い出す事柄も多い。「巨悪」の検察官の登場がちょっと嬉しい。

2020/06/13

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