ステージ・ドクター菜々子が熱くなる瞬間
ステージ・ドクター菜々子が熱くなる瞬間 / 感想・レビュー
タイ子
大病院を辞めて実家の病院に帰ってきた女医の菜々子。中学の元同級生から地元の市民会館で主催されるイベントの医療支援をして欲しいとの依頼。それがステージ・ドクター。イベントの出演者は健康な人とは限らない。病気を克服しようとする人、病と共に前に進もうとする人、そんな人たちの力になり、医者としてなすべきことをやる、そして自分も成長していく。出演者のためにと菜々子の出すアイデア、一つ一つのエピソードに胸が熱くなる。過去の呪縛から逃れるため菜々子が出した結論は。現役のお医者さんだから書ける作品なんでしょうね。
2020/08/20
ゆみねこ
女医の菜々子は、兄の病院に勤務する傍ら病院の目の前の市民会館のステージに立つ病気を持つ人々のサポートをする。「絶対に大丈夫」その言葉で傷ついた人、救われた人。読みやすかったけど、あまり印象に残らないかな?
2019/11/10
Ikutan
デビュー作からお気に入りの南さん。今回も医療の現場の人間模様を現役ドクターの鋭い視点で描いていてよかった。東京の中核病院を退職して地元に戻ってきた菜々子。兄が院長を務める実家を手伝っていたところ、元同級生クマちゃんの提案でステージに立つ出演者たちの医療支援をする『ステージ·ドクター』の仕事を請け負うことになる。様々な病気で体調に不安のある人たちが、菜々子のサポートで輝いていく六つの物語。一番よかったのは、一番初めのきっかけを作ってくれたヒラメ師匠の物語かな。前病院を辞めた理由の真相は予想通りでしたね。
2019/10/24
アルピニア
菜々子はある事情で都心の大きな病院を辞職して実家の病院を手伝っているが、友人の依頼で市民会館の利用者のステージ・ドクター(健康上の問題を抱えながらも舞台に立ちたいという出演者をサポートする)を引き受ける。菜々子は、この仕事を通して患者に「寄り添う」ことについて目を開かされ、もう一度過去の問題に向き合おうと決心するが・・。寄り添い、励ます方法や言葉は、本当にケースバイケースだと再認識する。菜々子は、「絶対」に代わるどんな言葉を見つけるのだろうか。各話で登場するサポートの際のちょっとした機転も興味深かった。
2022/07/01
紫 綺
文庫で改題「希望のステージ」にて読了。訳あり女性医師・菜々子が、市民会館のステージに立つ患者をサポートする連作短編集。患者の望みを可能な限り叶えるための創意工夫が面白い!
2023/06/01
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