コールミー・バイ・ノーネーム (星海社FICTIONS シ 10-1)
コールミー・バイ・ノーネーム (星海社FICTIONS シ 10-1) / 感想・レビュー
散文の詞
名前当てミステリーとか百合小説とかよりも、ラブコメと捉えれば面白かったです。 登場人物の恋愛模様が軽快な会話で描かれてて、読みやすいです。 ただ、被害者意識がどう変わっていったのかがいまいちよくわからなかったです。 そういうこともあるかな? まあ、とはいえ、彼女たちの未来が、いい方向に向かえばいいなと思えるような、そんな感じでした。
2021/02/26
雪紫
電子書籍にて読了。あの子の本当の名前は何?斜線堂さん、これはコメディではありません。名前当てミステリに見せ掛けたガチの百合小説ですよこれは。動きや恋に変わっていくのが丁寧だし、それゆえに琴葉の「改名」が明らかになった時、ぞわりとなってしまった。だが、それを踏まえたからこそ、綺麗な結末に。今月百合アンソロジー(ミステリ作家大多数)に参加するからどういう百合を描くのか気になっていたけど、これはますます期待大。
2022/02/28
さこぽん
あとがきに「初めてのラブコメ」と。いやいやいや、重くて重くて全然笑えない。単なる百合小説か・・・で終わらないのが作者らしい。琴葉の過去を知って今までの不思議な行動の意味がわかったとき、切なさがこみ上げた。愛が姫の呪いを解く王子様に見えた。どうかふたりがいつまでも一緒にいられますように。<名前当てミステリの金字塔>
2024/06/11
クライゲッコー
百合小説でありながら、名前当てミステリでもある本作。 本名を当てられたら友達になってあげると言う古橋琴葉と半ば賭けで恋人となった世次愛は、その関係を続けるうちに本当に彼女に好意を寄せるようになり、本当の彼女を知るために彼女の忌まわしい過去とも紐付く本名を探る。解答権は1回きりで、誤るとそこでさよならだ。果たして愛は本名を当てることができるのか。 初読み作家さんにもかかわらず、文章の端々から感情がほとばしり、その熱量と勢いが凄まじく、この著者の作品は間違いないと思わせてくれました。
2020/05/01
ぐっちょい
世次愛(めぐみ)が偶然ゴミ捨て場で出会った古橋琴葉。物理的距離は一気に詰める癖に、内面には触れさせてくれない琴葉が気になる愛。親しくなろうとするも、私の本名を当ててくれたら友達になると言う琴葉の無理難題から始まる名前当てミステリー。友情と愛情と性欲。線引きし難く混同し易いこれらの感情を、大して特別視せずに自然に受け入れる2人の関係性が心地よい。琴葉の改名した経緯は重く悲しいものだったけど、愛との出会いにより、多少なりとも昇華できた事がせめてもの救い。今後は何にも怯えずに愛(ダブルミーニング)に溺れて欲しい
2021/04/28
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