Keyの軌跡 (星海社新書 157)
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「Keyの軌跡 (星海社新書 157)」のおすすめレビュー
『AIR』『CLANNAD』etc.──「元祖泣きゲー」ブランド・Keyの軌跡! 今でも褪せぬ魅力の秘密に迫る
『Keyの軌跡』(坂上秋成:著、Key:監修/講談社) 2019年の邦画興行収入は、新海誠監督の長編アニメ映画『天気の子』がトップだった。話題作であり、多くの人が鑑賞したわけだが、その感想の中で「『天気の子』を観て『AIR』を思い出した」というものがあった。『AIR』とは株式会社ビジュアルアーツのブランド「Key」から発売された美少女ゲームであり、大きな人気を獲得して、後に映画化やテレビアニメ化した作品だ。ゲームが発売されたのは2000年のことだが、先述のような感想が挙がるほど、現在でもファンは多い。実はそれは『AIR』に限った話ではなく、この「Key」というブランドの作品自体に、多くのファンがついているのだ。『Keyの軌跡』(坂上秋成:著、Key:監修/講談社)は、なぜ「Key」にこれほどの魅力があるのか、詳細に検証している。 まず先述した「美少女ゲーム」というのは18禁マークのつく、いわゆる「エロゲー」を指す。そう、「Key」とはアダルトゲームのブランドだったのだ。しかし本書の著者はあえて「エロゲー」などの言葉を使わずに、「ビジュアルノベル」という性的表現を極力廃した表現で文章を構成して…
2020/2/11
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Keyの軌跡 (星海社新書 157) / 感想・レビュー
ゼロ
KEYが生み出したゲームの解説と考察、麻枝准さんの素晴らしさとアニメ作品について書かれた本。内容としては、各作品のネタバレしか書いてないので、未プレイの人は注意。KEYの歴史を一通り解説していましたが、踏み込んだ内容ではないが、読みやすかった。昔、KEYのゲームをプレイした人にとっては、懐かしむという意味では良い本。これからKEYのゲームをしたい人は、本書を読まずにゲームをしてください。良くも悪くもビジュアルノベルであるからこそ、感動し、心打たれ、想うことができたが、文章だけでは陳腐な感じがしました。
2020/02/07
いりあ
「TYPE-MOONの軌跡」の坂上秋成氏の新刊です。本作ではKeyの歴史を、設立メンバーの1人「麻枝准」を中心に、まさに前夜と言えるTacticsの「ONE〜輝く季節へ〜」から始まり、作品順に振り返っています。初めてプレイしたエロゲが「Kanon」なので、色々な意味で感慨深かったです。あらすじを読んでいるだけで脳内で補完されて泣きそうになります。当時のネット掲示板は鍵の考察を色々な人が書いていたなと思い出しました。監修をKeyがしているのでほぼ公式本ですね。
2019/12/20
ほうすう
Keyの諸作品について歴史をたどりながら個々の作品についての考察も進めていくというもの。作者のKey作品に対する愛があふれており、Keyの作品、そしれ歴史について初めて知ることも多く興味深い内容であった。 一方で個々の作品の考察については必ずしもすべてに納得できたわけではない。うまく言語化できずにもどかしいのだがこの著者の意見と自分の意見では多少解釈が分かれるようだ。ただこういった考え方もあるのかということを知る意味では大変面白かった。
2019/12/06
えすてい
Keyの諸作品を歴史的な視点からテキスト分析し、京アニでアニメ化された作品も含めて、麻枝准という「天才」を、「ゲーム作家」ではなくシナリオライターという視点、なおかつ作品をエロゲ―ではなくビジュアルノベルという言葉と使って考察していく。麻枝准の書く作品には「奇跡」が起こるが、それは魔法ではなく耐え難い苦痛を乗り越えた先に自分の目の前に手にする人生や幸福が「奇跡」なのだ。また音楽との密接な関係性も必須の要素でありそれはゲーム音楽とでは片づけられない。新海誠作品のKey作品との関連性も随所で述べられる。
2019/11/29
椎名
ネタバレ有りで作品について語っているため未プレイ者には非推奨。例に漏れずkanonから美少女ゲームの世界に入ったので、非常に懐かしく思い出しながら改めて作品について考えることのできる一冊になっていたのは良かった。また個人的な好みとしてシナリオライターに着目していなかったときから久弥氏の手掛けていたルートが好きだったのだが、その理由として田中ロミオ氏と同様に、奇跡を描く麻枝氏とは違い奇跡のない現実的な人間の生き様を描いているという点が上げられるのかもしれないなと思ったりもした。
2020/02/13
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