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わたしの芭蕉

わたしの芭蕉

わたしの芭蕉

作家
加賀乙彦
出版社
講談社
発売日
2020-01-30
ISBN
9784065174319
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わたしの芭蕉 / 感想・レビュー

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ピンガペンギン

芭蕉の俳句を、初句、推敲句、別案句、決定句に至る道筋を辿りながら鑑賞できる本。もとの本があるのだが、その本は手に入りにくそうなので、一部でも文庫で読めるのは有り難い。「有とあるたとへにも似ず三日の月」→「あるとある見立にも似ず三日の月」→最終的に「何事の見たてにも似ず三かの月」となった。芭蕉の作品の代表が月で、それは荘子を師と仰ぐ感覚だという(P205)。

2024/05/14

koji

これから加賀乙彦さんに挑戦しようと思い、手始めにと取った1冊ですが、思わぬ掘り出し物でした(加賀さん、ご免なさい)。加賀さんが冒頭書いているように、「日本語の表現をいかに豊かに、簡潔に、美しく磨いていくか」に苦心する人にとって、美しい日本語の世界に遊ぶ楽しみを芭蕉は教えてくれます。加賀さんは、本書の中で①推敲するとは何か、②深い愛着の心で自然や人事と交わるとは何か、③紀行、俳文がもたらす日本語の美しさとは何かを、章を分けて丁寧に解きほぐしてくれます。ここまで芭蕉に向き合えたのは今回がはじめて。著者に多謝

2023/05/15

Kei.ma

夏の句を、例えば、暑き日を海に入れたり最上川、と詠む。冬の句を、例えば、冬庭や月もいとなるむしの吟、と詠む。芭蕉さんの句に近づくと、夏の暑さにも頭を下げたくなるし、また、冬の寒ささえ綺麗で暖かい気持ちになる。もちろん、月日は百代の過客にして、と始まる奥の細道の文字を一つ一つ目で追うと、欲とか望みすら感じられないほどの研ぎ澄まされた感覚にただただ呆然とするのみであった。そして、芭蕉さんの推敲の過程が明かされているなど、兎にも角にも随所に興味が惹かれて飽きない一冊であった。

2020/08/12

plum

芭蕉が切り開いた「美の世界」を案内してくれる作者は,何度も何度も「美しい日本語」と感嘆する。芭蕉は目で見て写生するだけではなく,風の寒暖に洗われている事実,匂いなどで,自分の目の前の世界を膨らませて,永遠の別世界に仕立て上げているのだp39。ひらがなとカタカナと擬音と。

2023/02/01

のせなーだ

「春の夜は桜に明てしまひけり」「入かかる日も程々に春のくれ」「此道や行人なしに秋の暮」「一露もこぼさぬ菊の氷かな」300年以上の年月を超えて、共有する心情。

2022/05/05

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