しんがり 山一證券最後の12人 (講談社文庫 き 68-2)
しんがり 山一證券最後の12人 (講談社文庫 き 68-2) / 感想・レビュー
hatayan
1997年に破綻した山一証券の最期を看取った社員の知られざる奮闘を記した名著。単行本は2013年刊。2015年に引き続き2019年に2度目の文庫化。稼ぎ頭だった営業の部署に比べると地味でさえない内部管理のスタッフが、会社の不正が常習化するまでの原因と経過を当事者から粘り強く聞き出し緻密な報告書を取りまとめるまで。2019年版では、清算業務を支えた社員が鬼籍に入り始めていることが記されるほか、著者と同世代の池上彰氏が熱く温かい解説を寄稿。これまで『しんがり』を読んだことがある者でも新たな発見のある一冊です。
2020/06/02
penguin-blue
就職活動時、山一は人気企業ランキング上位にいて数年後に破綻するなんて思いもしなかった。あの頃からなくなったり低迷した企業はけっこうあるけど、会社の運命なんてわからないものと印象付けた走りだった気がする。会社を立ち上げ育てるのも大変だけど、人が作った会社の終焉に立ち会い、それを綺麗に終わらせるのも大変なこと。むしろ光が当たらず得る果実がない分、そこに力を傾けるのはより大きな意志の力が必要なのかもしれない。やや劇画帳にすぎるきらいはあるが、会社員としては身につまされ、しんがりをやり遂げた彼らを心から尊敬する。
2020/02/03
kk
山一証券が自主廃業に追い込まれたあと、破綻原因の調査と清算業務のため、最後の最後まで修羅場に踏み止まった人たちの物語。沈む船から逃げていく上役や再就職のために去っていくかつての仲間たちの姿を目の当たりにしながら、なぜ彼らは敢えて持ち場を捨てなかったのか、何が彼らを支えたのか。企業であれ何であれ、世の中、本当に酷い人々と立派な人々がいるんだなと、今さらながら感心させられ、また組織の中で生きることの難しさを痛感させられました。「サラリーマンの哀しいほどの律儀さと志操の高さ」に、kkも圧倒されてしまいました。
2021/06/16
まっと
(再読)
2024/07/24
4丁目の父ちゃん
社員が頑張ってもこんな経営陣がこんなことをしていれば自主廃業もやむ終えないだろうが。多かれ少なかれどこの会社でも私服をこやす役員さんがいるのだろう、半澤直樹が一社に一名いなければね(笑) しんがり12名、お疲れ様でした。
2020/08/17
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