望郷太郎(1) (モーニングKC)
望郷太郎(1) (モーニングKC) / 感想・レビュー
buchipanda3
「へうげもの」作者の作品。演歌の世界を思わせる題名と表紙だが、遥か遠い未来の地球を描いたSFものだったりする。異常な寒波を避けるために家族と共にコールドスリープに入った太郎。目覚めた世界は500年後の未来だった。そこは文明がまだ存在してるか分からない世界。それでも故郷の日本を目指して遠く離れた中東から出発した太郎。現代であれば飛行機でひとっ飛びだが、そんなものが無い状態で向かうことの何と気が遠くなることか。著者らしい顔付きのキャラたち。それと同じぐらい一筋縄ではいかない物語を期待して次巻を待つ。
2020/01/13
眠る山猫屋
またとんでもない漫画が始まった。財閥七代目・舞鶴太郎はイラク東部で天候異常に遭遇、金にあかせて造ったコールドスリーブ装置に家族と避難するが・・・。目覚めたのは五百年後、家族はトラブルで木乃伊化、街には誰もいない。太郎は意を決してシベリア鉄道を目指す。金を最優先と考えて生きてきた太郎の孤独な旅。氷河期が通り過ぎたような気候、動物はいても狩りは出来ず、凍死しかけた太郎を救った遊牧民パルとミト。太郎の知る文化はもはや無い。そして豹!!いや、ビビった!!
2019/12/28
トラシショウ。
「死んだ妻や子には悪いが・・・今は存分に楽しませてもらう。五感全てを使う・・・煩わしくも圧の無い生活を」。地球全土を襲う局地的な大寒波から逃れる為、イラク支社で働く財閥御曹司の舞鶴太郎は一縷の望みに賭けて妻子と共にコールドスリープに入る。およそひと月程度の筈だったそれは、どういう訳か目覚めると500年が経過、妻と子は機械の電源故障でミイラと化していた。突然の世界の初期化、積み上げた現実が全て崩壊した事に落胆しながらも、太郎は単身遥か彼方の日本を目指す。グレートジャーニーの開幕、かな(以下コメ欄に余談)。
2020/01/01
ころこ
設定はSFだが、文化人類学、人類学の視点から楽しめる。ユーラシアを横断し、今のところヨーロッパが出てこないというのも最近のマンガらしい。近代の知から歴史をやり直すとどうみえるのか考えさせる。読者はそこまで堅苦しくなくても良いのだ。しかし、マンガはプロットが単線的で、キャラの書き方の使い分けで人物造形が分かってしまう。作家の意識に支配され過ぎてしまうのが弱点だと思う。文字を忌避しているということが本作と歴史の決定的違いで、伏線回収されるのか楽しみだ。
2024/08/06
ミエル
下まつ毛のおっさんと言えば山田先生。SFか?ディストピアか?結局どっちでもなさそうだけど、舞台がどこでも感覚の差異が丁寧で良かった。いずれにしても、太郎が新しい世界と価値観を理解し自分を馴染ませていく過程が面白い。
2021/04/20
感想・レビューをもっと見る