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家族パズル

家族パズル

家族パズル

作家
黒田研二
出版社
講談社
発売日
2019-12-12
ISBN
9784065180730
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家族パズル / 感想・レビュー

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じいじ

表紙のワンちゃんのあどけない目線に魅かれて読んでみたくなった。初読み作家の本は、文体に慣れるまでアイドリングが必要なのだが、ハナから読みやすい文章でした。5篇とも今一つ噛み合わない「家族」をテーマにした短篇集。私の一番のお気に入りは、期待通りワンちゃん〈ボンド号〉が捩れた四人家族の絆を戻してくれた物語【我が家の序列】です。リストラで人生の指針を見失った父が、雨の中を彷徨い踏切で電車に…。その時、傍らにいた1匹の犬が…彼を思い止めてくれます。やっぱり〈ボンド号〉の神通力は凄かった。とても良い読後感です。

2021/01/25

Ikutan

初読みの黒田さん。五つの短編は、ちょっとしたミステリー仕立てになっていて、謎を解いていくと、家族の繋がりや思いが浮き上がってきて、じんわり胸が熱くなるというハートフルなお話。のっけの『はだしの親父』は靴に着目した謎解きが面白かった。オレオレ詐欺を扱った『タトウの伝言』は主人公にハラハラさせられたので、ラストが余計に沁みたなぁ。一番印象に残ったのは犬のボンドの物語『我が家の序列』。なんて賢い犬なんだ。読後、表紙をみると愛しくて泣けてくる。読みやすくて粒ぞろいの一冊。おすすめ。

2020/08/20

itica

「家族」と言うパズルは未完成のまま、いつの間にか年を重ねてしまった主人公たち。ただ気づかない振りをしていただけで、本当は心の片隅にパズルのピースを抱えたままだったんだ。わだかまりがするりと解けたとき、やっと最後のピースがはまって「家族」が完成したんだね。5編の中では「はだしの親父」が一番好き。謎が解けて二度読みしてしまったのが「言霊の亡霊」。いくら何でも無理があるだろうと思う話もあったけれど、総じて後味の良い終わり方は家族の絆のが感じられて良かった。

2020/03/06

はる

読後感のあたたかな短編集。バラバラな家族。お互いの想いは伝わらず、すっかり冷えきった関係のように思えたが、実は…。どのエピソードも重い展開で始まるが、終盤にどんでん返しがあってあたたかな結末になっている。最後のエピソードはさすがにびっくり。優しいエンディング。

2020/09/24

ぶんこ

それぞれの気持ちが上手く噛み合っていない家族のお話が5篇。どれも切なくなるような良い展開で、どれが一番とはなかなか言えないけれど、残された遺族の気持ちを思って、自殺した子ども2人を殺したと嘘をついたカミさんが忘れられません。そして母の愛を描く作品が多いなか、厳格で体面を気にして乱れた服装をしない父が、3人の子どもたちの窮地に、靴を使って対処したとっさの行動に胸キュン。その気持ちを汲み取った子どもたちも素晴らしい。

2020/10/10

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