凜 (講談社文庫 ひ 54-2)
凜 (講談社文庫 ひ 54-2) / 感想・レビュー
ピロ麻呂
大正時代の網走が舞台。親に売られ、ひたすら借金を返すため遊廓で働き続ける少女たち。一方、常紋トンネル工事においては、貧しい男たちがタコ部屋に住みながら過酷な労働を強いられていた。生きるために必死で働き続ける若者たちを描く壮絶なストーリー。今を生きるの私たちがいかに恵まれているか…とても考えさせられる作品でした。
2020/05/03
かんちゃん
『骨太』な作品でした。R 18賞受賞作の「自縄自縛の私」を読んだときは、作者が同郷の北海道という興味で読んだだけで正直記憶に残ってないですが、今作品は本当に骨太な作品だと思う。 取材も丁寧だし、描写も丁寧。作者の想いがしっかりと描かれていて、北海道の開拓時代の裏社会を真摯に描ききっている。女性の儚さと芯の太さを今を生きる女性の感性で描いている。もっと評価されてもいい作品だと思います。
2020/04/03
ゆきこっち
大正時代北海道網走のタコ部屋で働く男たちと遊郭の話。圧巻でした。詐欺まがいに無理矢理労働させられたり、親の借金を背負わされたり、今も昔も上に立つ人間に何もかもむしり取られやり切れない。
2023/07/23
YH
大正パートは好みど真ん中。色街の話はいくつか読んでいるから、宝春楼は仲間同士助け合っているし、二人の子供も娼妓の現状を良しとせずにいるから、物すごい劣悪とは思わなかったが、タコの状況は過酷だと感じた。麟太郎が東京に帰らず、苛烈な男になっていく心の動きがわからない。村木への贖罪とも違うような気がするし…
2021/08/15
MAMI.
★★★☆☆
2020/02/28
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