治部の礎 (講談社文庫 よ 40-7)
治部の礎 (講談社文庫 よ 40-7) / 感想・レビュー
だまし売りNo
本書の三成は秀吉への忠義ではなく、日の本をよくすることが動機になっている。朝鮮出兵などの秀吉の暴走をどう押しとどめるかに苦慮している。三成が愚痴を言うとしたら、秀吉の悪口ばかりになりそうである。秀吉の暴走を押しとどめる際には徳川家康と協力することもあった。三成と家康は以心伝心で協力した。それならば秀吉没後は家康を新たな天下人として仕えても良かったのではないか。家康を毛嫌いすることはなかったのではないか。秀頼を託されたということはあるとしても、織田秀信(三法師)のような生き方もあったのではないか。
2023/01/09
Book Lover Mr.Garakuta
自分は歴史が好きなわりには、史観もなく、見識も浅い。なので当時の主要人物の一翼を担った人たちが多く出てくるこの書籍の主人公である石田三成の人物像はあまり知らなかったが、この小説を通して、ある程度の人物像は推察・推測できた。彼らの活躍を通して名を残せる程の人物でありたいと思ったのであろうか、日本をカタチ造ろうとして活躍する。最後は、内府(家康)の権謀術数と策略の前に敗退する。物語は備中高松城攻めから始まるが、三成は若いころからその才能を認められ頭角を現したようである。
2020/02/17
茶幸才斎
いくさ下手と嘲られ、糧道・兵站整備に奮闘するも臆病者と罵られ、まつりごとに威厳と公平を求め時に苛烈に臨み、時に策を弄すれば、たちまち憎まれ、嫌われ、恨まれて、見れば周囲は敵ばかり。余人ならくさって自棄でも起こすところ、豊臣政権下で主君のため奉行職に邁進し、その才能を遺憾なく発揮した石田治部少輔三成は、戦乱の世に秩序を求め一途に奔走した。天下分け目の戦において、わずか1日で惨敗を喫した彼に、高すぎる理想が空回りしたと訳知り顔で評する者は、最後に彼が勝者徳川家康に浴びせた抜き身の天下論に、慄き沈黙するがいい。
2021/04/27
tako_machida
偏屈というか信念を貫く石田三成がカッコ良かったです。左近や刑部、兼続との良好な関係は知られていますが、官兵衛とのエピソードは新鮮でした。
2020/04/05
YUJIRO
三成に好意的すぎると思うが、小説なので、このくらい大胆な解釈があった方が面白い
2021/08/14
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