津軽双花 (講談社文庫 は 99-7)
津軽双花 (講談社文庫 は 99-7) / 感想・レビュー
鉄之助
天下分け目の戦いから13年。”女たちの関ヶ原”が北辺の津軽藩で続いていた! シンボリックな表紙が良い。石田三成の娘・辰姫を妻としていた津軽藩2代藩主・信牧(のぶひら)のもとに、徳川家康の養女・満天姫(まてひめ)が正妻として乗り込んでくる。ワクワクしながら一気に読んだ。お互い譲らず、どちらが正妻としての心を高く持つか、の矜持比べ。様々な試練を越えて、桜舞い散る下での二人の和解のシーンが感動的。物語の重要なキーとなっている「関ヶ原合戦図屏風」。いつか、本物を大阪歴史博物館へ行って見てみたい、と強く思った 続く
2021/04/19
みっちゃん
弘前を訪れた際に資料館かどこかで、2代目藩主の正室が徳川家康の養女で、名前が「満天姫」というのは印象に残っていたが、その輿入れによって正室の座を奪われた女人が石田三成の娘だったとは。彼女の生んだ男子が次の藩主となり、津軽藩主の身体には三成の血筋が受け継がれていっていたんだ。自分の意志とは全く無関係に嫁がされ、父や兄の戦の勝敗次第でまた人生が変わっていく。自らに流れる血筋と、夫や子への思いに引き裂かれながら、戦国に生きた女性たち。豪華な打掛を身に纏いながら、どんな思いを胸に秘めていたのだろうか。
2021/05/07
とん大西
凛として貫く-津軽に嫁ぎ、津軽に生きた。かたや石田三成の忘れ形見、辰姫。かたや徳川家康の養女、満天姫。天下の覇権を争った仇敵同士の娘二人が、時を超え津軽の地でまたもやあいまみえる。満天姫の輿入れで君主信枚の正室の座を明け渡すかたちとなった辰姫。『三成の娘』-豊臣への忠義を貫いた父を誇り、父の娘であることの誇りをむねに信枚を愛し津軽を愛した辰姫。家康の娘であろうと津軽の正室として女の信念を貫いた満天姫。嫉妬、確執、そして関ヶ原の因縁。仇敵の縁を超え、彼女達の心の奥深くで結ばれた強い絆。正に凛とした読後感。
2020/02/08
優希
関ヶ原の後を舞台にした短編集です。文献は残っているものの、実際には葉室さんの描く人物像なのではないかと思わされます。石田三成が再評価されているのは三成好きにとって嬉しいところでした。
2021/03/26
金吾
中編1と短編3です。表題作がメインであり、三成の娘辰姫と家康の養女満天姫が主人公の爽やかな話です。命よりも大切なものがあることをいいたいのだと思いますが、短編も含め、三成、淀君、直秀の思考は理解できないです。
2024/08/23
感想・レビューをもっと見る